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「どこを見るか」で声が変わる?視線と歌の意外な関係


人間の体は、視線が動くと無意識に頭の角度や首の筋肉が連動するようにできています。たとえば、スマホをのぞき込むように視線が下がれば、自然と顎が引けて首の後ろが伸び、喉の前面は圧迫されます。逆に、高いところにあるものを見ようとすれば、顎が上がり、喉周りの筋肉がピンと張ってしまいます。
歌うときの喉は、できるだけ無駄な力が抜けていて、リラックスしている状態が理想です。しかし、視線が定まらずにキョロキョロしていたり、床や手元の歌詞カードばかりを見ていたりすると、それだけで喉の通り道に「渋滞」が起きてしまうのです。
よく「高音を出すときは上を向いたほうがいい」と思われがちですが、実はこれには注意が必要です。顎を上げて上を向くと、一見、喉が開いたような気がしますが、実際には喉仏が引き上げられ、喉を締め付ける原因になることもあります。
逆に、低音を出すときに深く下を向きすぎると、今度は喉を押し潰してしまい、響きがこもってしまいます。もちろん、表現としてあえて視線を動かすことはありますが、練習の段階では「どこを見ているときに一番声が楽に出るか」を知っておくことが、安定した発声への近道になります。

多くのボイストレーナーが推奨するのが、自分の目の高さ、あるいはそれよりほんの少しだけ上の「遠くにある水平線」を見るような感覚です。
遠くを見ようとすると、自然と背筋が伸び、視界が広がりますよね。このとき、首の後ろ側も適度にリラックスし、肺からの息がスムーズに口まで届く、最も効率の良い通り道が出来上がります。
また、視線を遠くへ向けることは、声を遠くへ届けるという意識にもつながります。近くの床を見て歌うよりも、遠くの誰かに語りかけるように視線を送るほうが、声の響きそのものが明るく、豊かになるのを実感できるはずですよ。
では、具体的にどう練習に取り入れればいいでしょうか。簡単な3つのステップを紹介します。
- 歌詞を暗記するか、譜面台を自分の目の高さに合わせます。手元を見て歌う癖をまずはなくしましょう。
- 部屋の壁など、自分の目線と同じ高さに「ここを見る」というターゲットをひとつ決めます。付箋などを貼っておくのもいいですね。
- そのターゲットを見つめながら、声がその場所まで一直線に飛んでいくイメージで歌ってみてください。
高音でつい顎が上がってしまう人は、あえて視線を数センチ下げる。逆に、声がこもりがちな人は、視線を数センチ上げる。自分にとっての「スイートスポット」を探すつもりで、視線の高さを微調整してみるのがコツです。
「目は口ほどに物を言う」という言葉がありますが、歌においても目は非常に雄弁です。視線がしっかりと定まっていると、聴いている人にも「この人は誰に何を伝えようとしているのか」がダイレクトに伝わります。
喉のテクニックだけでなく、自分の目がどこを向いているか。そんな小さなことに気を配るだけで、あなたの歌はもっと自信に満ちた、説得力のあるものに変わるはずです。
次にマイクを握るときは、ぜひ「自分だけの遠くの水平線」を見つけて、そこに向かって声を放ってみてくださいね。
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