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歌の安定感と色気は「低音」で! 低音強化マニュアル

カラオケやボイストレーニングの悩みといえば、その9割が「高い声が出ない」というものです。

「Mrs. GREEN APPLEのような突き抜けるハイトーンが出したい」
「Adoのようにパワフルに叫びたい」
「ミックスボイスを習得したい」

その気持ち、痛いほどよく分かります。サビの最高音をバシッと決められた時の爽快感は、歌の醍醐味そのものですからね。
でも、ここで少しだけ冷静になって、足元を見てみましょう。

あなたは、曲の歌い出しや、Aメロの低いパートをおろそかにしていませんか?
サビの高音には命をかけているけれど、そこに至るまでの低音パートは「ただやり過ごしているだけ」になっていませんか?

実は、歌の上手さ、安定感、そして聴く人をドキッとさせる「色気」の正体は、高音ではなく「低音」にあります。
プロの歌手がなぜ上手く聞こえるのか。それは、高い声が出るからだけではなく、低い声が驚くほど太く、響き、安定しているからなのです。

家を建てる時、屋根(高音)を高くしようと思ったら、まず基礎(低音)を深く掘って固めなければなりません。基礎がグラグラの家に立派な屋根を乗せたら、崩れてしまいますよね。
歌も全く同じです。低音を制する者は、歌を制す。

今回は、普段あまり注目されない、けれど実は最強の武器になる「低音」の魅力と、その鍛え方について、じっくりと深掘りしていきます。
この記事を読み終わる頃には、あなたの「低い声」が、愛おしい宝物に変わっているはずですよ。

 

なぜあなたの低音はスカスカなのか? 意外な原因は「息の吐きすぎ」

「低い声を出そうとすると、どうしても声が小さくなってしまう」
「息漏れしたような、カスカスの声になってしまう」

そんな悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか。
一生懸命低い声を出そうとして、喉仏を無理やり下げたり、あごを引いたりして頑張っているのに、出音は頼りない……。

実はそれ、「頑張りすぎ」が原因かもしれません。
具体的に言うと、「息を吐きすぎている」可能性が高いのです。

声帯のメカニズムを簡単に説明しましょう。
高い声を出す時、声帯はピンと張って細かく振動します。逆に低い声を出す時、声帯は緩んで、ゆっくりと振動します。
ギターの弦を想像してください。高い音を出す細い弦は強く弾いても大丈夫ですが、低い音を出す太くて緩い弦を思いっきり叩いたらどうなるでしょうか? 弦が暴れて「ベベン!」と汚い音が鳴るか、あるいは振動が上手く作れずに音が消えてしまいますよね。

人間の声帯も同じです。
低い声を出すために声帯が緩んでいる状態で、強い息(たくさんの息)を一気に吐いてしまうと、声帯が過剰に開きすぎてしまい、しっかりと閉じ合わさることができません。
その結果、声帯の隙間から息が漏れて、「シューシュー」というノイズ混じりの、芯のないスカスカな声になってしまうのです。

低音を出すのに、パワーは要りません。
むしろ、息の量は高音の時よりも少なくていいのです。「ため息」をつく時のような、脱力した少量の息。それだけで、低音は十分に鳴ってくれます。
「低音=太い声=パワーが必要」という思い込みを、まずは捨ててみましょう。リラックスこそが、深みのある低音への近道なのです。

 

低音こそが「歌うま」の鍵! 音程が安定し、色気が溢れる「倍音」の魔法

次に、なぜ低音が重要なのか、音楽的な視点からお話しします。
「高音は目立つけど、低音なんて伴奏に埋もれちゃうじゃん」と思っていませんか?
でも、それは誤解です。

低音がしっかり鳴っている声には、「倍音(ばいおん)」という成分がたくさん含まれています。
倍音とは、出している音(基音)以外に鳴っている、高い周波数の音の成分のことです。
例えば、しっかりとした発声で「ド」の音を低く出した時、実はその中には目には見えない(耳では直接意識できない)「高いド」や「ソ」の音が微かに混ざっています。

この「倍音」がたくさん含まれていると、声に「深み」「厚み」「艶(つや)」が生まれます。
いわゆる「イケボ(イケメンボイス)」や「癒やしボイス」と呼ばれる声は、例外なくこの倍音が豊富です。逆に倍音が少ないと、平べったくて子供っぽい声に聞こえてしまいます。

さらに、低音がしっかりしていると、「ピッチ(音程)が良く聞こえる」という魔法のような効果もあります。
歌の土台である低音がドッシリと安定していると、聴き手は安心感を覚えます。多少高音でふらついても、低音がしっかり戻ってくる場所として機能していれば、「下手だ」とは感じにくいのです。

逆に、低音が不安定だと、歌全体がフワフワと浮ついた印象になり、「なんか音痴だな」「頼りないな」と思われてしまいます。
Aメロの低いパートを、語りかけるように、太く、温かく歌い上げる。
それだけで、「この人、タダモノじゃないな」というオーラ(色気)が出るのです。サビで高音を張り上げるよりも、実は低音で魅せる方が、聴き手の心臓を掴む力は強いかもしれません。

 

胸に響かせろ! 今日からできる「チェストボイス」習得トレーニング

では、どうすればその魅力的な低音を手に入れられるのでしょうか。
キーワードは「チェストボイス(胸声)」です。

文字通り、声を「胸」に響かせる技術です。普段の話し声に近い声ですが、それを意図的に増幅させるイメージです。
以下のステップで練習してみましょう。

1. 胸に手を当てる
まず、鎖骨の下あたり(胸の真ん中)に手のひらをペタリと当ててください。

2. 低い声でハミングする
口を閉じて、「ん〜〜〜」と低い声でハミングをします。
この時、手にビリビリとした振動を感じますか?
もし振動を感じなければ、声が口先だけで鳴っている証拠です。もっと喉の奥を開いて、声を身体の下の方、胃の方へ落とすイメージで「ん〜〜〜」と唸ってみましょう。

3. 「モー」や「グー」で発声する
振動を感じたら、その感覚をキープしたまま口を開きます。
おすすめの言葉は、牛の鳴き真似で「モー」か、こもった音が出やすい「グー」です。
「モー、モー、モー」と、胸のビリビリが消えないように発声します。

4. ゾンビの真似をする
ちょっとふざけているようですが、真面目な練習です。
全身の力を抜いて、頭をダラリと前に垂らし、「あ゛〜〜〜……」とゾンビのような声を出してみてください。
この「脱力しきった声(エッジボイス)」は、声帯がリラックスして閉じている状態なので、非常に響きやすい低音の種になります。

ポイントは、とにかく「上半身の力を抜くこと」です。胸の空間をチェロやコントラバスのボディだと思って、豊かに響かせてあげてください。

 

まずはこの曲で練習しよう。低音が魅力的な「大人の課題曲」リスト

チェストボイスの感覚が掴めてきたら、実際の曲で練習してみましょう。
低音が魅力的で、かつ練習に適した楽曲をいくつかピックアップしました。

【男性におすすめの曲】

● 福山雅治『桜坂』『家族になろうよ』
低音ボイスの代名詞といえばこの方。決して力まず、語りかけるような深い響きは、チェストボイスのお手本です。まずはサビよりも、Aメロの低さを丁寧に真似してみましょう。

● Vaundy『踊り子』
脱力感のある歌い方が特徴。頑張って太い声を出すのではなく、力を抜いた「気だるい低音」のかっこよさを学べます。

【女性におすすめの曲】

● AI『Story』
ソウルフルで太い低音が必要です。お腹で支えて、胸に響かせる感覚がないと、あの説得力は出せません。低音域でのロングトーン(声を伸ばす)練習にもってこいです。

● Aimer『カタオモイ』
ハスキーで倍音成分たっぷりの声質。低音でも声がこもらず、息の成分と声の芯のバランスが絶妙です。ウィスパー気味に低音を響かせる練習になります。

これらの曲を、決して「高い声で盛り上げよう」とせず、「低い声だけでどれだけ聴かせられるか」というテーマで練習してみてください。録音して聞いてみると、自分の声の新しい魅力に気づくはずです。

 

まとめ:基礎(低音)があれば、高音はもっと輝く

今回は、あえて「低音」にスポットライトを当ててみましたが、いかがでしたでしょうか。

高音は、トレーニングを積まないと出ない「身体機能の拡張」に近いものですが、低音は、リラックスさえすれば誰でも持っている「本来の声」です。
その本来の声を磨き上げることで、歌の安定感、説得力、そして色気は格段にアップします。

そして不思議なことに、低音(チェストボイス)が安定してくると、喉の土台がしっかりするため、結果的に悩みだった高音(ミックスボイス)も出しやすくなるという相乗効果が生まれます。
急がば回れ。高音が出なくて行き詰まっている人こそ、一度低音のトレーニングに立ち返ってみてください。

地面に深く根を張った木だけが、空高く枝を伸ばせるのですから。

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