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人前で歌うのが恥ずかしい初心者へ

カラオケの誘いが憂鬱?最初は恥ずかしくて「当たり前」です

周りの友人たちが「次は何を歌おうかな!」とデンモク(選曲リモコン)を嬉しそうに回している中、自分だけは「なんとかして自分の順番が回ってこないようにできないだろうか」と必死にやり過ごす。タンバリンを無駄にシャカシャカと鳴らして盛り上げ役に徹してみたり、誰かが歌い出した瞬間に「ちょっとドリンクバー行ってくるね」と部屋から逃げ出したり……。これ、歌うことに苦手意識を持っている人にとっては、もはや「カラオケあるある」ですよね。私も昔は、マイクを向けられるだけで手が冷たくなるほど緊張していたので、その逃げ出したくなる気持ち、痛いほどよくわかります。

まず最初にお伝えしておきたい、とても大切なことがあります。それは、「人前で歌うのが恥ずかしい」という感情は、人間としてごくごく自然で、当たり前の反応だということです。あなたに歌の才能がないから恥ずかしいわけでも、特別に臆病だから恥ずかしいわけでもありません。最初は恥ずかしくて当然なのです。今回は、そんな「恥ずかしさ」の正体をゆっくりと解き明かしながら、どうすれば少しずつ楽しく声を出すことができるようになるのか、そのステップをのんびりとお話ししていきたいと思います。

 

なぜ歌うことは、こんなにも恥ずかしく感じるのか

そもそも、なぜ私たちは歌うことに対してこれほどの「恥ずかしさ」や「恐怖」を感じてしまうのでしょうか。普段、友達と「今日のランチ、何食べる?」なんて会話をしているときは、自分が声を出していることなんていちいち意識しませんよね。それなのに、メロディに乗せて歌詞を口ずさんだ途端に、急に顔から火が出るほど恥ずかしくなってしまう。不思議だと思いませんか?

これには、しっかりとした心理的な理由があります。日常の会話が「ただの情報伝達」であるのに対し、歌というものは「自分自身の感情や内面を外に向けて表現する行為」だからです。楽器を持たず、自分という生身の身体だけを使って、声の震えや息遣いまでを他人にさらけ出すわけですから、なんだか自分の秘密の日記帳を大声で読まれているような、心が丸裸にされているような感覚に陥ってしまうのです。

さらにそこへ、「もし音程を外したらどうしよう」「音痴だと思われて笑われたら恥ずかしい」という、他人の評価を気にする強烈なブレーキがかかります。かつて学生時代に、音楽の授業などで誰かに「声が変だね」と悪気なく言われた一言がトラウマになって、声に蓋をしてしまっている方も少なくありません。だからこそ、「人前で歌うのが恥ずかしい」というのは、自分の心を守るためのとても正常な防衛本能なのです。まずは「恥ずかしいと思っていいんだ」と、自分自身に許可を出してあげてくださいね。

 

ステップ1:誰にも聞かれない場所で「声を出すこと」に慣れる

恥ずかしさの理由がわかったところで、いよいよそれを克服していくための第一歩を踏み出してみましょう。ここで絶対に間違えてはいけないのは、いきなり「カラオケでみんなの前で歌って克服するぞ!」と無謀な挑戦をしてしまうことです。それは、泳げない人がいきなり海に飛び込むようなもので、かえって恐怖心を植え付けてしまいます。

最初のステップは、「自分ひとりの声に、自分自身が慣れること」です。

自分の声をスマートフォンなどで録音して聴いたとき、「えっ、私ってこんな声で喋ってたの!?」と絶望した経験はありませんか?私たちが普段聞いている自分の声は、頭の骨を伝わって響く音が含まれているため、他人が聞いている本当の声よりも低く、豊かに聞こえているんです。このギャップがあるため、自分の歌声に強烈な違和感や嫌悪感を抱いてしまうのはよくあることです。

この違和感をなくすために、まずは誰にも絶対に聞かれない場所——そう、お風呂場が最適です。お風呂場は音がよく響き、エコーがかかったように声が綺麗に聞こえる魔法の空間です。シャワーの音でかき消される程度の小さな声で構いませんので、好きな曲の「ふふふーん」という鼻歌から始めてみてください。

鼻歌に慣れてきたら、今度はスマートフォンでお気に入りの曲を少し大きめの音量で流しながら、アーティストの声に自分の声を重ねるようにして一緒に歌ってみましょう。自分の声だけが目立たない環境を作ることがポイントです。「あれ、声帯(声を出す喉の筋肉)を震わせるのって、意外と心地いいかも」と身体が感じてくれるようになるまで、焦らずに自分の声と仲良くなる時間を楽しんでください。

 

ステップ2:ハードルを極限まで下げて「少しずつ人前で歌う」

ひとりでお風呂場や部屋で声を出すことに抵抗がなくなってきたら、次はいよいよ「少しずつ人前で歌う」というステップに進んでいきます。繰り返しますが、会社の飲み会や大人数の二次会でマイクを握る必要はまだありません。

最初は、あなたのことを絶対に笑わない、そして絶対に批判しない「一番気を許せる相手」をたった一人だけ選びます。親友でも、恋人でも、家族でも構いません。「実は最近、少しだけ歌の練習をしていて、カラオケに付き合ってくれない?」と正直に打ち明けてしまいましょう。「下手かもしれないけど、笑わないでね」と先にハードルを底まで下げておくのが、心を楽にする最大のコツです。

いざカラオケボックスに行ったら、一人で1曲を丸ごと歌う必要はありません。「この曲、好きなんだけど一人だと緊張するから、一緒に歌って!」とデュエットをお願いしてしまえばいいのです。隣で誰かが一緒にマイクを通して声を出してくれているだけで、「一人だけが注目されている」というあの独特のプレッシャーは消え去ります。

これを何度か繰り返しているうちに、あなたの脳は「誰かがいる空間で自分の歌声を響かせても、誰も怒らないし、変な空気にもならないんだな」ということを学習していきます。自転車の補助輪を片方ずつ外していくように、少しずつ、少しずつ、人前で声を出すことの安全性を確認していくのです。気づいた頃には、マイクを握る手に余計な力が入らなくなっているはずですよ。

 

あなたの「恥ずかしい」を優しく受け止める場所へ

ここまで、人前で歌う恥ずかしさを克服するためのステップをお話ししてきました。「自分の声に慣れる」「信頼できる人の前で少しずつ歌う」。この2つのステップを踏むだけで、歌うことへの恐怖心は随分と軽くなるはずです。

ただ、もしあなたが「友達や家族にお願いするのもやっぱり恥ずかしい」「どうせなら、変なクセがつく前に正しい発声方法をプロから教わって、根本的な自信を手に入れたい!」と思うのであれば、実は一番手っ取り早くて安心な相手がいます。それは「プロのボイストレーナー」です。

プロのトレーナーは、これまでに「歌うのが恥ずかしい」と下を向いてしまう初心者の方の声を何千人も聴いてきた、いわば声のお医者さんのような存在です。あなたがどんなに震えた声を出そうと、絶対に笑ったり、バカにしたりすることはありません。むしろ、あなた自身も気づいていない「あなたの声の本当の魅力」を一番最初に見つけ出して、優しく引き出してくれる最強の味方なのです。

『オーラボイスボーカルスクール』では、音楽の知識がまったくない方や、「人前で声を出すのがとにかく怖い」という方でも安心して通える、とても温かくアットホームなレッスンを行っています。厳しいスパルタ指導や、プロを目指すためのストイックなカリキュラムを押し付けるようなことは決してありません。あなたが本来持っている「声の個性」を大切にしながら、心と身体をリラックスさせて声を出す楽しさを、一つひとつ丁寧に教えてくれます。

「恥ずかしい」という気持ちを持ったまま、どうか一度、その扉を叩いてみてください。プロの優しいサポートを受けながら、自分の新しい扉を開いてみませんか?あなたの声が自由に響く日を、心から応援しています。