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歌の練習で「何を直せばいいかわからない」ときはどうする?

 

自分の歌を聴いて「なんか違う」と立ち止まってしまったあなたへ

自分の歌声をスマートフォンなどで録音して聴き返したとき、「プロのアーティストと何かが決定的に違うのはわかるけれど、具体的にどこをどう直せばいいのか全くわからない」と途方に暮れてしまうのは、ボーカル練習において誰もが必ず通る道です。

音楽の専門知識がない初心者の場合、自分の歌を聴いても「なんか下手だな」「声が変だな」というふんわりとした感想しか持てず、結局どうしていいかわからずに練習をやめてしまうケースが非常に多いのです。これは例えるなら、足散らかった部屋の真ん中に立たされて、「さあ、綺麗にしなさい」と言われているような状態です。ゴミを捨てればいいのか、服を畳めばいいのか、掃除機をかければいいのか、手順がわからなければ誰だって動けなくなってしまいますよね。

歌の練習も全く同じです。「なんだか全体的にイマイチ」という漠然とした悩みを抱えたまま、ただむやみに何度も同じ曲を歌い続けても、喉を痛めるだけで上達にはつながりません。歌のクオリティを上げるためには、散らかった部屋を片付けるときのように、問題点を一つひとつ仕分けして整理していく作業が必要不可欠になります。今回は、自分の歌の「直し方」がわからなくなってしまった迷子のあなたに向けて、今日からすぐに実践できる具体的な練習のアプローチを3つのステップでわかりやすく解説していきます。

 

ステップ1:曲を解剖するつもりで「音程・リズム・歌詞」を分ける

まず最初に行うべきなのは、あなたが歌っているその曲の要素を「分解」して聴き直すことです。私たちは普段、歌をひとつの塊として聴いていますが、実は歌というものは大きく分けて3つの重要なパーツから成り立っています。それが「音程(メロディ)」「リズム」「歌詞(言葉の響き)」です。自分の録音を聴き返すときは、この3つのフィルターを1つずつ切り替えながらチェックしていくのが、問題点を見つける最大のコツになります。

最初は「音程」だけに全集中して聴いてみましょう。このとき、感情の込め方や声の良し悪しは一切無視してください。「サビの入りの高い音が、本来のメロディよりも少し低くぶら下がってしまっていないか?」「フレーズの終わりの音が、不安定に揺れていないか?」というように、まるでピアノの鍵盤を一つずつ叩いて確かめるような感覚で、原曲の音と自分の声の高さが合っているかだけをシビアにチェックします。

次に、音程のことは一旦忘れて「リズム」だけに耳を傾けます。カラオケの伴奏やドラムの音に対して、自分の歌い出しがコンマ数秒早く突っ込んでしまっていないか、あるいは息継ぎに時間がかかって、伴奏よりも声が遅れてしまっていないかを確認します。歌が「なんだかのっぺりして素人っぽい」と聞こえる原因の多くは、このリズムのわずかなズレやモタつきにあることが非常に多いのです。

最後に「歌詞(言葉の響き)」のチェックです。ここでは、自分が発している日本語が、言葉として美しくハッキリと聞こえるかを確認します。「あ行」の口の開きが甘くてモゴモゴとこもった声になっていないか、高音を出そうとするあまり歌詞が呪文のようになってしまっていないかを探ります。

このように「音・リズム・言葉」を別々に解剖して聴くことで、「全体的に下手」という漠然とした絶望から、「Bメロのリズムがズレていて、サビの高音の言葉が濁っているから下手に聞こえるんだ」という具体的な発見へと変わっていくはずです。

 

ステップ2:完璧主義は捨てる!「一度に全部直そうとしない」

自分の歌の弱点が具体的に見えてきたら、いよいよそれを直すための練習に入ります。しかし、ここで絶対にやってはいけない初心者のタブーがあります。それは「見つけた弱点を、次の練習で一度に全部直そうとしてしまうこと」です。

「音程をしっかり当てて、リズムもバックの演奏にバッチリ合わせて、さらに歌詞もハッキリと発音して、ついでにプロみたいに感情も込めて歌うぞ!」と意気込んでマイクを握る。一見すると向上心があって素晴らしいように思えますが、人間の脳はそんなに器用にはできていません。

これは、お手玉を1個も満足に投げられない人が、いきなり5個のお手玉を空中に放り投げてジャグリングをしようとするのと同じです。音程を気にすればリズムが崩れ、リズムを気にすれば歌詞が飛び、感情を込めようとすれば喉に力が入って音程がズレる……結果としてパニックになり、「やっぱり自分には無理なんだ」と挫折してしまうのがオチです。

歌の練習においては、完璧主義は思い切ってゴミ箱に捨ててください。プロのアーティストであっても、レコーディングの前には「今日はリズムのノリだけを意識して歌う」「次は言葉のアクセントだけを強調して歌う」といった具合に、要素を一つひとつ順番に確認しながら身体に染み込ませていく作業を地道に行っています。まずは「一つ直せたら大成功」という心の余裕を持つことが、上達への一番の近道になるのです。

 

ステップ3:小さな成長を楽しむ「今日の課題を1つ決める」

一度に全部直そうとしない心構えができたら、具体的なアクションとして「今日の課題をたった1つだけ決める」という練習方法を取り入れてみましょう。毎回の練習の前に、自分自身に小さなミッションを与えるのです。

たとえば、「今日の練習の15分間は、とにかく『息継ぎ(ブレス)のタイミングと深さ』だけに全集中する」と決めます。その間は、少しくらい音程が外れてしまっても、感情が全くこもっていなくても一切気にしません。ひたすら「原曲と同じタイミングで、お腹の底までしっかりと息を吸うこと」だけを目標にして歌い続けます。

あるいは、「今日はサビの『あ』の母音のときだけ、口を縦に大きく開けることだけを意識する」というピンポイントな課題でも構いません。このように課題を極限までシンプルに絞り込むことで、脳のキャパシティに余裕が生まれ、自分の身体がどう動いているのか、声がどう響いているのかを冷静に観察することができるようになります。

たった1つのミッションに集中して何度も反復練習をしていると、やがてその動きは無意識のうちにできるようになっていきます。息継ぎが無意識にできるようになったら、次は「音程」を課題にする。音程が安定してきたら、次は「言葉の響き」を課題にする。こうして、1つずつクリアした課題を地層のように積み重ねていくことで、気づいたときにはすべての要素が綺麗に連動し、見違えるほどクオリティの高い歌声へと進化しているはずです。「何を直せばいいかわからない」と立ち止まってしまったときは、焦らずに課題を小さく、小さく切り刻むことから始めてみてくださいね。

 

迷子になったら、客観的なプロの耳に頼ってみよう

ここまで、自分の歌の課題を見つけ、それを一つずつ紐解いていくための練習アプローチについてお話ししてきました。要素を分解し、一度に全部をやろうとせず、今日の課題を1つに絞る。このサイクルを回すだけで、あなたの練習の質は劇的に向上するはずです。

しかし、それでもどうしても「自分の音程が合っているのか自分では判断できない」「リズムがズレているのはわかるけれど、どうしても修正できない」と、深い森の中で完全に道に迷ってしまうこともあります。自分の声を客観的に分析するというのは、実は非常に高度なスキルであり、プロのミュージシャンでもプロデューサーやディレクターといった「外部の耳」を頼るのが当たり前なのです。

もし、あなたが自分の声の現在地を見失ってしまったら、思い切ってプロのボイストレーナーの客観的なアドバイスを受けてみることを強くおすすめします。

『オーラボイスボーカルスクール』では、音楽の専門知識が全くない初心者の方でも安心して通える、とても温かくアットホームなレッスンを行っています。厳しいスパルタ指導や、画一的なカリキュラムを押し付けるようなことは決してありません。経験豊富なインストラクターが、あなたの歌声を丁寧に聴き、「今、一番最初に取り組むべき課題は何か」を的確に見つけ出し、わかりやすい言葉で優しく導いてくれます。

「カラオケでもっと自信を持って歌いたい」「自分の声の本当の魅力を知りたい」という方は、ぜひ一度ホームページをご覧いただき、気軽に体験レッスンに足を運んでみてください。プロのサポートを受けながら、自分の声が魔法のように変わっていく喜びを一緒に体験してみませんか?