閉じる閉じる

ニュース・ブログ

教室のロビー 教室のロビー

2026.09.04

コラム

ボーカルレッスンの最初の一曲、どう選ぶ?

歌の上達は「最初の1曲」を正しく選ぶところから始まる

ダイナミックマイク

テレビから流れてくるアーティストの素晴らしい歌声や、カラオケで友人が気持ちよさそうに歌い上げる姿を見て、「自分もあんな風に、もっと自由に、そして上手に歌えるようになりたい」と密かに決心したことはありませんか?歌は、ピアノやギターのような特別な楽器を買わなくても、自分の身体ひとつですぐに始められる非常に魅力的な趣味です。しかし、いざ「今日からボーカルの練習を始めよう!」と思い立った初心者が、一番最初につまずきやすい大きな落とし穴が存在します。それが、「練習するための課題曲選び」です。

多くの方は、カラオケに行ったときのように「とりあえず今流行っている曲」や「自分が一番よく聴いている曲」をなんとなく選んで練習を始めてしまいます。しかし、ボーカルの練習において「最初にどの曲を相棒に選ぶか」は、その後の上達スピードや、練習へのモチベーションを左右するほど重要な要素なのです。自分のレベルや声の特性に合っていない曲を最初に選んでしまうと、「やっぱり自分は歌の才能がないんだ……」と、すぐに挫折してしまう原因になりかねません。逆に、最初の1曲を正しく選ぶことができれば、驚くほどスムーズに発声のコツを掴むことができ、自分の声がどんどん磨かれていく楽しさを味わうことができます。

専門的な音楽の知識や、難しいボイストレーニングの用語は一切必要ありません。今回は、ボーカル初心者が絶対に失敗しないための「最初の課題曲の決め方」を、3つのシンプルなステップに分けて、かみ砕いて分かりやすく解説していきます。

 

ステップ1:まずは「自分が心から好きな曲」をたくさん候補に挙げる

曲選びの最初のステップは、自分の声質がどうだとか、音程が取りやすいかといった技術的な条件をいったんすべて脇に置いて、「自分が本当に大好きな曲」「何度聴いても飽きない曲」をノートやスマートフォンのメモ帳に思いつく限りリストアップしていくことです。最低でも10曲、できれば20曲ほど候補を挙げてみてください。

「えっ、最初は簡単な童謡とか、スローテンポな指定曲から始めるべきじゃないの?」と疑問に思われるかもしれませんが、それには明確な理由があります。歌の練習というのは、ひとつの曲を何度も何度も繰り返し聴き込み、メロディの細部や息継ぎのタイミングを身体に染み込ませていく地道な作業の連続です。その際、もしその曲が「練習のために仕方なく選んだ、たいして好きでもない曲」だった場合、同じフレーズを何十回も反復して練習しているうちに、確実につまらなくなって飽きてしまいます。

自分の心に響くメロディ、大好きな歌詞、憧れているアーティストの歌声。そうした「好き」という純粋な感情こそが、「何度失敗しても、絶対にこの曲を最後まで気持ちよく歌い切れるようになりたい!」という強力なモチベーションの源泉になります。練習が少しつらくなったときでも、曲への愛着があれば不思議と踏ん張りが効くものです。ですから、第一関門では「自分のテンションが上がるお気に入りの曲」を妥協せずに集めることから始めてください。ジャンルはJ-POPでも、アニソンでも、洋楽でも構いません。

 

ステップ2:候補の中から「今の自分が無理なく歌える曲」を探し出す

大好きな曲のリストが完成したら、次はそのリストの中から「現在の自分の声帯や肺活量でも、無理をせずに歌えそうな曲」へと絞り込んでいく作業に入ります。ここが、初心者が最も慎重になるべき大切なステップです。

初心者が歌いにくい曲の典型例として、以下のような特徴が挙げられます。
・サビで極端に高い声(あるいは極端に低い声)を連続して出さなければならない曲
・早口言葉のように言葉がギュッと詰め込まれていて、息を吸うヒマがない曲
・音が上がったり下がったり、ジェットコースターのようにメロディが激しく動く曲

リストアップした曲を、お風呂場や自分の部屋で実際に軽く口ずさんでみてください。その際、「高い音を出すときに喉がギュッと苦しくなる」「サビの途中で息が切れてしまう」「言葉が口の中で回らずに噛んでしまう」と感じた曲は、残念ですが今回の「最初の1曲」からは外しましょう。ここで無理をして喉を絞めつけるようなクセをつけてしまうと、後からそれを直すのに大変な苦労をすることになりますし、最悪の場合は喉を痛めてしまいます。

選ぶべきなのは、普段の話し声の延長線上で、リラックスしてスッと声が出る曲です。テンポがゆったりとしていて、フレーズとフレーズの間にしっかりと息を吸うための隙間(休符)が用意されているバラードや、ミディアムテンポのポップスなどが最適です。「これなら、最後まで喉が疲れずに歌えそうだな」と身体が自然と感じる曲を見つけ出すことが、正しい発声を身につけるための近道になります。

 

ステップ3:「日々の練習用」と「いつか歌いたい憧れの曲」をきっちり分ける

ステップ2で候補を絞り込んでいくと、おそらく多くの方が直面する残酷な現実があります。それは、「自分が本当に歌いたいと思っている大好きな曲は、どれも難しすぎて今の自分には到底歌いこなせない」という事実です。

近年の音楽シーンを賑わせている大ヒット曲は、プロのボーカリストであってもライブで歌うのが困難なほど、異常なまでに音域が広く、リズムが複雑化している傾向があります。初心者がいきなりそうした超難曲に挑むのは、今日からジョギングを始めたばかりの人が、いきなりフルマラソンの大会に出場しようとするのと同じくらい無謀なことです。

そこで非常に重要になってくるのが、「日々の基礎練習に使う課題曲」と、「いつか絶対に歌えるようになりたい憧れの曲」を自分の中できっちりと分けて考える、というマインドセット(心の持ち方)です。

「憧れの曲」は、あくまで長期的な目標として輝かせておきましょう。「いつかあの高い音を、あのアーティストのように響かせてみせる」というゴールがあるからこそ、日々の地道な練習に意味が生まれます。そして、そのゴールに到達するための踏み台として、今の自分が安全に、かつ正確に歌える「日々の練習用」の曲を大切に育てていくのです。
背伸びをせずに選んだ練習用の曲で、正しい姿勢、無理のない呼吸、そして正確な音程を取る感覚をしっかりと身体に覚え込ませていくこと。そうした基礎の積み重ねが、やがてあなたの声帯の筋肉を鍛え上げ、数ヶ月後、あるいは数年後に、「憧れの曲」を気持ちよく歌いこなせるだけの確かな実力へと変わっていくのです。

 

まとめ:迷ったときはプロの客観的なアドバイスに頼ってみよう

ここまで、ボーカル初心者が最初に選ぶべき課題曲の決め方についてお話ししてきました。「好きな曲から候補を出す」「自分の喉に無理のない曲を探す」「憧れと現実の練習曲を分ける」。この3つのステップを意識するだけで、あなたのボーカル練習は今までよりもずっと充実し、実りあるものになるはずです。

しかし、自分ひとりで録音を聴き返したり、声の調子を確かめたりしていると、「本当にこの曲が自分の声質に合っているのか分からない」「無理なく歌えているつもりだけど、実は変なクセがついているのではないか?」と不安になってしまうこともあるかもしれません。自分の声を自分で客観的に判断するというのは、プロのミュージシャンであっても至難の業だからです。

そんなとき、自分の声の本当の魅力や、まだ自分でも気づいていない適性を引き出してくれるプロのボイストレーナーの存在は、非常に心強い味方になります。もし、「自分にぴったりの曲をプロ目線で選んでほしい」「もっと効率よく、楽しく歌の練習を進めたい」と感じたなら、ぜひ一度『オーラボイスボーカルスクール』を覗いてみてください。

オーラボイスボーカルスクールは、音楽の知識がまったくない初心者の方でも、基礎から優しく丁寧に教えてもらえるアットホームなボーカルスクールです。厳しいだけのスパルタ指導ではなく、あなた自身が本来持っている「声の個性」を大切にしながら、無理のないペースで上達をサポートしてくれます。「カラオケでもっと自信を持って歌えるようになりたい」という目標から、「いつかあの憧れの曲をマスターしたい」という大きな夢まで、一人ひとりの声に寄り添った的確なアドバイスが受けられます。あなたの歌声の可能性を広げる第一歩として、ぜひプロのレッスンを体験してみてはいかがでしょうか。