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2026.09.02

コラム

ボーカル初心者は何から練習すればいい?

 

1. 「歌が上手くなりたい」と思ったら、何から手をつけるべきか

 

テレビから流れてくるプロのアーティストの圧倒的な歌唱力や、カラオケでマイクを握って気持ちよさそうに美声を響かせる友人。そんな姿を見るたびに、「自分もあんな風に、もっと自由に、そしてもっと上手に歌えたらどんなに楽しいだろう」と憧れる瞬間ってありますよね。音楽は聴くのも素晴らしいですが、自分の身体そのものを楽器にして表現する「歌」には、他では味わえない特別なカタルシスがあります。

しかし、いざ「よし、自分も歌の練習を始めてみよう!」と決心したものの、具体的に何から始めればいいのか分からず、立ち止まってしまう方は非常に多いのです。ネットで検索してみると「腹式呼吸が基本だ」「リップロールで喉をリラックスさせよう」「ミックスボイスの出し方」などなど、専門用語がズラリと並んでいて、なんだか急にハードルが高く感じてしまいますよね。

もちろん、そうした基礎的なボイストレーニングの知識は後々とても重要になってきます。しかし、まだ右も左も分からないボーカル初心者が、いきなりストイックに呼吸法だけを毎日繰り返すのは、正直言って面白くありませんし、何よりモチベーションが続きません。歌の練習において一番大切なのは「歌うことの楽しさを忘れないこと」です。

そこで今回は、音楽の専門知識が全くない方に向けて、小難しいテクニックや専門用語を一切抜きにして「ボーカル初心者が、今日から自宅やカラオケで実践できる具体的な練習ステップ」を、かみ砕いて分かりやすく解説していきます。遠回りに見えて実は一番の近道になる、魔法の3ステップをご紹介しましょう。

 

2. ステップ1:あれこれ手を出さず「まず1曲を決める」

 

ボーカル初心者がやってしまいがちな、そして最も上達を妨げてしまう「よくある落とし穴」があります。それは、カラオケに行ったときに「あれも歌いたい、これも歌いたい」と、1回の練習で10曲も20曲も違う歌を歌ってしまうことです。

もちろん、ストレス発散や仲間とワイワイ楽しむためのカラオケならそれで大正解です。しかし、「歌を上達させるための練習」として考えると、これでは少し効率が悪いのです。料理に例えるなら、美味しいカレーを作れるようになりたいのに、1日目はオムライス、2日目は肉じゃが、3日目はパスタ……と毎日違う料理を作っているようなものです。これでは、いつまで経ってもカレーのスパイスの配合や煮込み加減のコツは掴めませんよね。

だからこそ、練習の第一歩は「まず1曲、自分が徹底的に向き合う『課題曲』を決めること」から始まります。たった1曲でいいのです。その1曲を、まるで職人がひとつの作品を磨き上げるように、何度も何度も繰り返し練習していくのが上達への一番の近道になります。

では、どんな曲を選べばいいのでしょうか。ポイントは「自分が心から好きで、何度聴いても飽きない曲」を選ぶことです。ただし、最初からものすごくキーが高くて叫ぶような曲(最近の大ヒット曲によくある、息継ぎの暇もないような超難曲など)を選ぶと、喉を痛めたり挫折してしまったりする原因になります。自分が普段鼻歌で歌っていて、比較的「声が出しやすいな」と感じる、テンポが少しゆったりとしたバラードやミディアムテンポのポップスを選ぶのがおすすめです。まずはこの「相棒」となる1曲を見つけることから始めてみてください。

 

3. ステップ2:現実と向き合い「歌いにくい場所を見つける」

相棒となる1曲が決まったら、次に取り組んでいただきたいのが「現状の自分を知る」という作業です。具体的には、その曲を歌ってみて「歌いにくい場所を見つける」というプロセスに入ります。

ここで皆さんにぜひやっていただきたい、そしておそらく多くの人が一番やりたくないであろう、重要なミッションがあります。それは「スマートフォンなどのボイスメモ機能を使って、自分の歌声を録音して聴き直すこと」です。

正直にお話ししますと、自分の歌声を初めて客観的に録音して聴く瞬間ほど、身も蓋もない絶望を感じる時間はありません。「えっ、私ってこんな変な声で歌ってたの!?」「思っていたより全然音程が合っていない!」と、顔から火が出るほど恥ずかしくなるのが普通です。なぜなら、私たちが普段自分で聞いている声は、骨を伝わって響く「骨導音(こつどうおん)」が含まれているため、他人が聞いている本当の自分の声よりも低く、豊かに聞こえているからです。

しかし、この「録音して聴く」という壁を乗り越えないことには、成長はあり得ません。録音した音源をじっくり聴きながら、曲の中で「自分がつまずいているポイント」をあぶり出していきます。1曲を通して上手に歌えなくても全く問題ありません。「Aメロのこの低い音がかすれて出ないな」「サビに入る直前の息継ぎが苦しくて、声がひっくり返ってしまう」「このフレーズだけ、どうしてもリズムが遅れてしまう」といった具合に、歌いにくい特定の場所(ボトルネック)を見つけていくのです。

歌いにくい場所が見つかったら、曲の最初から最後まで通して練習するのをやめてみましょう。その「うまく歌えない数秒間のフレーズ」だけを取り出し、そこだけを10回、20回と集中的に反復練習します。苦手な部分にピンポイントでアプローチすることで、驚くほどスムーズに曲全体が歌えるようになっていくはずです。

 

4. ステップ3:「最初から完璧を目指さない」という心の余裕を持つ

 

さて、課題曲を決めて、自分の苦手な部分を録音しながら分析する。ここまでのステップを踏み出したあなたは、すでに立派な「ボーカリストの卵」です。しかし、練習を続けていくと、必ずどこかで「なかなか理想通りに歌えない」「プロの原曲と比べると、自分の声がどうしてもダサく聞こえてしまう」と、落ち込んでしまう時期がやってきます。

そんな時に絶対に忘れないでほしいのが、「最初から完璧を目指さない」というマインドセット(心の持ち方)です。

テレビやイヤホンから聞こえてくるプロのアーティストの歌声は、何年、何十年という途方もない血のにじむようなトレーニングの上に成り立っています。さらに言えば、CDなどの音源は、最新の機材を使って最も良いテイクをつなぎ合わせ、綺麗に整えられた「完成形」です。それと現在の自分の歌声を比べて落ち込むのは、今日からジョギングを始めた人が、オリンピックのマラソン選手と自分を比べて「俺は全然ダメだ……」と嘆いているようなものです。

私たちの「声帯(声を出す器官)」も、腕や脚の筋肉と同じように「筋肉」で動いています。長年使っていなかった筋肉が急にムキムキにならないのと同じで、思い通りの音程を出したり、豊かな響きを作ったりするための喉周りの筋肉は、毎日の少しずつの積み重ねによってゆっくりと鍛えられていきます。一朝一夕で劇的に上手くなる魔法はありません。

だからこそ、「今日は昨日より、サビの高音がほんの少しだけ楽に出せた気がする」「息継ぎのタイミングが分かってきたかも!」といった、自分の中にしか分からないような本当に小さな成長を、全力で褒めてあげてください。完璧主義に陥らず、時には「まあ、今日はこんなもんか!」と笑い飛ばせる余裕を持つことが、挫折せずに長く歌の練習を続けていくための最大の秘訣なのです。

 

5. まとめ:自分の声を好きになるために

ここまで、ボーカル初心者がまず取り組むべき3つのステップ、「1曲を決める」「歌いにくい場所を見つける」「最初から完璧を目指さない」についてお話ししてきました。いかがだったでしょうか。

歌の練習と聞くと、なんだかとても険しくて厳しい修行のようなものを想像していた方も多いかもしれません。しかし、本質はとてもシンプルです。自分の好きな曲とじっくり向き合い、自分の本当の声を録音して受け入れ、できない自分を許しながら少しずつ前進していく。このプロセス自体が、まるで新しい自分を発見していくような、とても豊かで楽しい時間になっていくはずです。焦らず、自分のペースで、まずは今日、お風呂場や部屋の片隅で、お気に入りの1曲をそっと口ずさむところから始めてみてくださいね。

 

6. プロの視点で自分の声を引き出したい方へ

 

ひとりで練習を続けていて、「どうしても高音が出ない」「自分の声の魅力が自分ではよく分からない」と壁にぶつかってしまった時は、思い切ってプロのボイストレーナーの力を借りるのも素晴らしい選択肢です。

「でも、音楽教室ってプロを目指す人だけの場所なんじゃ……」と不安に思う方にこそおすすめしたいのが、『オーラボイスボーカルスクール』です。

オーラボイスボーカルスクールでは、厳しいスパルタ指導や型にはめるようなレッスンではなく、生徒さん一人ひとりが本来持っている「声の個性と魅力」を自然に引き出すことを何よりも大切にしています。音楽の知識が全くない初心者の方でも、リラックスした環境で基礎から優しくサポートしてもらえるので、毎回のレッスンが「声を出す楽しさ」に満ちた時間になります。
「カラオケでもっと自信を持って歌いたい」「日常のストレス発散として楽しく歌いたい」という目的でも大歓迎です。自分だけの本当の声に出会うために、まずは気軽にオーラボイスボーカルスクールのホームページを覗いてみてはいかがでしょうか。