目次
- 映画『ちいかわ』の大ヒットと、謎多き「セイレーン」の登場
- ちいかわ達を待ち受ける「人魚の島のひみつ」とは?
- そもそも「セイレーン」って何?ギリシャ神話における恐ろしい正体
- 英雄オデュッセウスとセイレーンの魔法の歌声
- 現代にも潜むセイレーン?語源やあの有名カフェのロゴの秘密
- 歌声が持つ不思議な力
1. 映画『ちいかわ』の大ヒットと、謎多き「セイレーン」の登場
みなさん、こんにちは。毎日暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。涼しい映画館で映画を楽しむのも素晴らしい夏の過ごし方ですよね。
さて、現在大きな話題を呼んで絶賛公開中の映画といえば、『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』です。SNSなどでも連日感想が飛び交っており、すでに劇場へ足を運んだという方も多いのではないでしょうか。本作は、あの小さくて可愛らしいキャラクターたちが織りなす「ちいかわ」の世界に、これまで作品に触れてこなかった超ビギナーの方でもすんなりと入り込める、非常に親しみやすい作品となっています。
この映画の中で特に注目を集めているのが、「セイレーン」というキャラクターの存在です。映画を観た方ならご存知の通り、このセイレーンが発する不思議な力を持った「歌声」は、物語において非常に重要なキーワードになっています。そこで今回は、この映画で話題沸騰中の「セイレーン」という存在について、そして大昔から語り継がれてきた「歌声の力」について、神話の裏話なんかも交えながら、お話ししていこうと思います。
2. ちいかわ達を待ち受ける「人魚の島のひみつ」とは?
少しだけ映画のあらすじに触れておきましょう。本作でちいかわ達は、ある島へとやってきます。到着するやいなや、彼らは島民たちから大歓迎を受けることになります。そこで出会う親切な島民の「ヒトハ」(声:寺澤百花さん)と「フタバ」(声:鈴代紗弓さん)の案内で、ちいかわ達は島での楽しい時間を過ごしていくのですが、ちいかわの世界がただの平和な日常で終わるはずがありません。
夜になると状況は一変します。伝説の生物である「セイレーン」と人魚たちに遭遇し、恐ろしい事実を聞かされることになります。なんと、この巨大なセイレーンは「ある理由」があって、島民たちを次々と連れ去っているというのです。さらに物語が進むにつれて、島民たちがちいかわ達を大歓迎した本当の理由が明らかになっていきます。実は、島民たちはこの恐ろしいセイレーンを「討伐」してほしいがために、わざわざチラシを撒いてちいかわ達をおびき寄せていたのです。
しかし、相手は伝説の生物。討伐なんて、決して簡単なことではありません。セイレーンはとにかく巨大で、さらにその歌声には、聞く者を惑わすような不思議な力が備わっているからです。この「歌声」こそが、セイレーンというキャラクターの最大の魅力であり脅威でもあります。では、そもそもこの「セイレーン」という名前は、一体どこからやってきたのでしょうか?
3. そもそも「セイレーン」って何?ギリシャ神話における恐ろしい正体
「セイレーン(Siren)」という言葉自体は、実は大昔の「ギリシャ神話」に登場する海の魔物に由来しています。映画の中では人魚の島と関連して描かれていますが、ギリシャ神話におけるセイレーンは、もともとは「上半身が人間の女性で、下半身が鳥の姿」をした怪物として伝えられていました。のちの時代になってから、徐々に下半身が魚の姿、つまり私たちがよく知る「人魚」のような姿として描かれることが増えていき、より魅惑的なイメージへと変化していったと言われています。
このセイレーンの一番の恐ろしさは、物理的な力ではなく、その「美しい歌声」にあります。彼女たちは海の通り道にある岩礁に潜んでおり、近くを船が通りかかると、すき通るような美しい声で歌い始めます。その歌声を聞いた船乗りたちは、あまりの美しさに心を完全に魅了されてしまい、正常な判断力を失ってしまいます。そして、狂わされたように船を岩場へと向かわせ、最終的には船を衝突させて遭難したり、難破させられたりしてしまうのです。
歌声に魅惑されて海に引きずり込まれた船乗りたちは、最終的にセイレーンに喰い殺され、彼女たちが住む島には犠牲になった船人たちの骨が山のように積み重なっていたとされています。美しい歌声の裏に隠された、なんとも残酷で恐ろしいエピソードですね。
4. 英雄オデュッセウスとセイレーンの魔法の歌声
このセイレーンの歌声がいかに強力かを示す物語として、古代ギリシャの詩人ホメロスが書いた叙事詩『オデュッセイア』のエピソードがあります。
物語の主人公である英雄オデュッセウスは故郷に帰るための航海の道中、魔女キルケから「セイレーンの歌声を聞いたら最後だから絶対に耳栓をしなさい」と強い警告を受けていました。しかし好奇心旺盛な彼は、「その魔法の歌声をどうしても一度聞いてみたい!」と思ってしまったのです。そこで彼は、部下たちの耳には音が全く聞こえないように蜜蝋(みつろう)をたっぷりと詰めさせ、自分だけは耳栓をせず、絶対に海へ飛び込めないように自身の身体を船の太いマストにぐるぐると縛り付けさせました。
いざ船が海域を通過し美しい歌声が響き渡ると、それを耳にしたオデュッセウスはあまりの美しさに身悶えし、「頼むから縄を解いてくれ!」とマストを引き抜いて海に飛び込もうとするほど完全に理性を失ってしまいました。幸い、耳栓をしていて歌声が聞こえない部下たちが彼を必死に押さえつけ、そのまま全力で船を漕ぎ続けたおかげで、無事に通過することができました。自らの命を危険に晒してまで聞きたくなる歌声とは、一体どんな気持ちの良い旋律だったのでしょうか。
5. 現代にも潜むセイレーン?語源やあの有名カフェのロゴの秘密
余談になりますが、救急車やパトカーなどで鳴り響く警告音「サイレン(Siren)」の語源は、このギリシャ神話のセイレーンから来ていると言われています。危険を知らせたり、人の注意を強制的に引きつけたりするあの鋭い音が、船乗りを死へと誘う魔物の歌声に由来していると知ると、なんだか少しゾッとしますよね。
また、街中でよく見かける有名コーヒーチェーン「スターバックス」の緑色のロゴマークに描かれているのも、実は二つの尾を持つ人魚の姿をしたセイレーンです。スターバックスの場合は、恐ろしい歌声で船乗りを海に引きずり込むのではなく、素晴らしいコーヒーの香りと味わいで人々をお店の中へと誘惑しているわけですね。彼女たちは今もなお、様々な形で私たちの日常に潜んでいるのです。


昔はもっと人魚っぽかった
6. 歌声が持つ不思議な力
ここまで、映画『ちいかわ』に登場するセイレーンから、神話における恐ろしい伝承までをたどってきました。時代や形は変われど、心を揺さぶる「歌声」というものが、人間の理性を吹き飛ばすほどの強いエネルギーを持っていることは古くから証明されています。
「セイレーン」が実在すると信じるか信じないかはあなた次第ですが、大昔から「歌が持つ不思議な力」が強く信じられてきたことには間違いがないでしょう。
あなたも自分の歌の力を磨きたくなったら、オーラボイスボーカルスクールへお越しください!
