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10万円のマイクより大切なこと:iPhone一つで良い音源を作る裏技

目次:スマホ一台で「本気」を形にするために

YouTubeの「歌ってみた」やSNSの投稿を見ていると、画面の隅に映り込む重厚なマイクや、プロ仕様のレコーディングスタジオの風景に目を奪われますよね。「あんな高いマイクさえあれば、自分の歌ももっとプロっぽく聴こえるはずなのに……」と、自分の財布を眺めて溜め息をつくこともあるでしょう。
バイト代を必死に貯めて、ようやく10万円クラスの機材を買おうとしている学生さん。あるいは、「機材がないからまだ録音できない」と自分に言い訳をしてしまっている若者層の皆さんに、今日は少しだけおせっかいなアドバイスをさせてください。
ぶっちゃけた話をしますと、今の時代、あなたのポケットに入っているそのスマートフォンの録音能力は、一昔前の高級機材を凌駕するほど高性能です。それなのに、多くの人がそのポテンシャルを引き出せていないのは、本当にもったいないことだと私は感じています。
今回は、高価な機材をポチる前に絶対に知っておくべき、スマホ一つで「プロ並みの質感」を手に入れるための泥臭くて実践的な裏技を公開します。
ここだけの話ですが、実はどれだけ高いマイクを買ったとしても、使う場所が悪いとiPhone以下の音質にしかなりません。これ、意外と誰も教えてくれない残酷な真実なんです。
想像してみてください。10万円の高級マイクは、信じられないほど「耳が良い」んです。あなたが気づかないような小さなエアコンの音、パソコンのファンの回転音、そして何より厄介なのが、部屋の壁に跳ね返った自分の声の「残響」まで、余さず拾い上げてしまいます。
お風呂場や、ガランとした自室で高いマイクを使って録音すると、なんとも言えない「アマチュアっぽい、ボワボワした音」になります。これは、高いマイクが「部屋の悪い音」まで高精細にキャプチャしてしまうからなんです。
環境さえ整えば、iPhoneのマイクでも、驚くほど美しい音が録れると私は確信しています。
大切なのは、iPhoneと自分の口との「距離」と「角度」です。
スマホを手で持って歌うのは、あまりおすすめしません。手が擦れる「ガサガサ音」が入ってしまいますし、歌に集中すると距離がフラフラと変わってしまうからです。できれば、机の上に本を積み上げたり、洗濯バサミで固定したりして、iPhoneを一定の場所に「鎮座」させてください。
理想の距離は、親指と小指を広げた「アロハ(シャカ)」のサイン一つ分。だいたい15センチから20センチくらいでしょうか。これより近すぎると、低音が強調されすぎてモゴモゴしますし、「パ・ピ・プ・ペ・ポ」の破裂音で「ボフッ」という風切り音(ポップノイズ)が入ってしまいます。
裏技として、iPhoneのマイク(底面の穴の部分)を、自分の口元からあえて少しだけ「ずらす」のも効果的です。鼻のあたりを狙うイメージですね。こうすることで、直接的な息の吹き込みを避けつつ、声の「ツヤ」にあたる高音成分を綺麗に拾うことができるようになります。この絶妙なポイントを探る時間は、10万円の機材選びに悩む時間よりも、はるかにあなたの歌を良くしてくれると私は思います。
ここまでの工夫をして録音すると、あることに気づくはずです。「あれ、意外と自分の声、生々しく聴こえるな」という驚き。そして同時に、「あ、ここ音程が甘いな」「ここのビブラート、なんだかかっこ悪いな」という、自分の歌の欠点までもが露骨に見えてくるようになります。
これが一番の「投資」の効果だと私は感じています。iPhoneでここまで綺麗な音が録れると分かってしまうと、もう「機材が悪いから上手に聞こえないんだ」という言い訳ができなくなるんです。
プロの現場で活躍している人たちは、どんな環境でも自分のベストを引き出す術を知っています。iPhone一つで納得のいく音源を作ろうと試行錯誤した経験は、将来あなたが本当のスタジオに入ったとき、エンジニアさんに「この人、マイクの使い方が分かってるな」と思わせる大きな財産になります。
スペックを追いかける前に、まずは自分の声を、今ある道具でどこまで磨き上げられるか。その泥臭い挑戦を楽しんでほしいな、と切に願っています。
10万円のマイクは、確かに素晴らしいものです。でも、それは「正しい環境」と「使いこなす技術」があって初めて輝くものです。
まずは布団を被ってもいい、クローゼットに潜ってもいい。スマホという身近な相棒を信じて、まずは一曲、今の全力を録音してみてください。高価な機材に頼らずとも、あなたの熱意と少しの工夫があれば、誰かの心を震わせる音源は必ず作れます。
自分の声を正しく聴き、大切に扱うこと。その姿勢こそが、どんな高級マイクよりもあなたの歌にパワーを与えてくれます。
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