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2026.02.07
コラム楽譜が読めなくても大丈夫!歌が上手くなる音楽の聴き方

【目次】
「あの人、別に音楽の勉強をしたわけじゃないのに、なんであんなに歌が上手いんだろう?」
あなたの周りに、そんな人はいませんか? 楽譜も読めないし、楽器も弾けない。それなのに、一度聴いた曲をすぐに自分のものにして、まるで自分の持ち歌のように歌いこなしてしまう。そんな「天才肌」に見える人たちには、実はある共通した「耳の習慣」があります。
2026年現在、私たちはサブスクリプションで何千万曲という音楽をいつでもどこでも聴けるようになりました。しかし、多くの人は音楽を「受け身」で、ただ背景として流しているだけかもしれません。それに対して、プロや歌が上手い人たちは、音楽を聴く時の「解像度」が圧倒的に高いのです。
今回は、楽譜が読めなくても今日から実践できる、音楽を「自分の血肉」にするためのディープな聴き方の極意をお伝えします。


音楽を聴くとき、多くの人は無意識にボーカルの「メロディ」だけを追いかけてしまいます。もちろん、メロディを覚えるのは基本ですが、それだけでは歌に「ノリ(グルーヴ)」が生まれません。
歌が上手い人のリズムがなぜあんなに心地よいのか。その秘密は、歌の裏で鳴っている「ベース」と「ドラム」に耳を傾けていることにあります。
音楽が「建物」だとしたら、メロディは屋根や外壁のデザインです。そして、ベースとドラムは、その建物を支える「基礎と柱」です。柱がグラグラしているのに、綺麗な壁紙(メロディ)だけを貼っても、良い家は立ちませんよね。
具体的には、ドラムの「バスドラム(ドンッという低い音)」がどのタイミングで鳴っているか、ベースの音がどううねっているかを意識して聴いてみてください。この「下の音」に自分の体を預ける感覚が持てると、歌のタイミングが驚くほど安定します。「リズム感が悪い」と悩んでいる人の多くは、リズム感が悪いのではなく、単に「リズムの音を聴いていない」だけなのです。
次に試してほしいのが、プロの歌唱を細かくバラバラにして聴く「分解リスニング」です。
歌を「なんとなく上手い」で片付けず、なぜ上手いのかを徹底的に分析します。特に注目すべきは、以下の2点です。
1. 息の漏らし方(ブレスの表情)
プロは、音を出す前の「吸う息」や、フレーズの終わりの「余った息の逃がし方」で感情を表現しています。例えば、悲しい曲なら、あえて「スッ」と震えるようなブレスを入れたり、語尾をため息のように消したりしています。これを「息の成分が何%くらい混ざっているかな?」と想像しながら聴いてみてください。
2. 言葉の切り方と繋げ方
「あーいーしーてーるー」と歌うのか、「あっいしっ・てるー」と跳ねるように歌うのか。言葉の端々をどう処理しているかに、そのアーティストの「こだわり」が詰まっています。一文字目の立ち上がりが鋭いのか、それとも滑らかなのか。そんな細かい部分に耳を澄ませることで、あなたの耳の解像度は飛躍的に高まります。

プロが必ず行っている最もストイックで効果的な練習、それが「自分の歌の録音を聴くこと」です。自分の声を聴くのが恥ずかしい、嫌いだという人は多いですが、そこを乗り越えた先にしか上達はありません。
録音を聴くときは、ただ「下手だな」と落ち込むのではなく、以下のチェックリストを持って、まるで他人の歌をプロデュースするかのような視点で聴いてみてください。
- リズム:ドラムの音に対して、自分の歌が前に突っ込んでいないか、あるいは遅れていないか?
- ピッチ(音程):音の「歌い出し」は合っているか? フレーズの終わりで音程が下がっていないか?
- 声色:お手本にしているアーティストに比べて、声が細すぎないか、あるいは無駄に力んでいないか?
- 滑舌:言葉の意味がちゃんと聞き取れるか?
客観視こそが、どんな高価な教則本よりもあなたを成長させてくれる「最大の師匠」です。一週間に一度でもいいので、録音して、聴いて、絶望して、そこから課題を見つける。このサイクルが、あなたの歌を「血肉」に変えていきます。
最後に、日常生活の中で「耳」を鍛えるための具体的な習慣をご紹介します。
1. 「イコライザー機能」で特定の色を消してみる
音楽アプリのイコライザー設定で、あえて「低音(Bass)」を最大にしたり、逆に「高音」をカットしたりして聴いてみてください。特定の帯域を強調することで、普段は埋もれて聞こえない楽器の動きが見えてくるようになります。
2. 片耳だけで聴いてみる
イヤホンを片方だけ外して聴くと、脳が音の情報を補完しようとして、いつもより集中力が高まります。また、左右で違う音が鳴っている(ステレオ感)ことに気づきやすくなり、音の配置(定位)を意識できるようになります。
3. 「同じフレーズだけ」を10回連続でリピートする
一曲通して聴くのではなく、自分が「ここ上手いな!」と思った数秒間だけを、何度も何度も繰り返して聴きます。そうすることで、一回目では気づかなかった微細なビブラートの揺れや、声の掠れ具合が手に取るようにわかるようになります。
歌の上達は、喉を鍛えることから始まるのではありません。まずは「耳」をアップデートすることから始まります。
プロの聴き方を知り、音の解像度を上げる。それは、今までモノクロに見えていた世界が急にカラフルに色づき始めるような、とてもワクワクする体験です。楽譜が読めなくても、音楽理論を知らなくても、あなたの耳は最高の楽器になります。
今日から、お気に入りの一曲を「ベースの音」に注目して聴き直してみてください。きっと、今まで気づかなかった新しい音楽の扉が開くはずですよ。
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