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2026.01.06
コラム子どもの「音感」はいつ決まる?遺伝の影響は?

「私、昔から音痴で……。子供もやっぱり音痴になっちゃうのかな?」
これは、小さなお子さんを持つお父さん・お母さんから本当によく聞くお悩みです。
テレビで歌の上手な子供を見たり、ピアノ教室に通い始めた友達のお子さんの話を聞いたりすると、どうしても焦ってしまいますよね。「才能の違いなのかな」「遺伝なのかな」と。
でも、最初に結論を言わせてください。諦めるのはまだ早すぎます。
実は、音楽的なセンスや「音感」というのは、遺伝だけで決まるものではありません。むしろ、幼少期の「環境」と「経験」が、その後の能力を大きく左右すると言われているのです。
「でも、家にピアノもないし、私は楽譜も読めないし……」
大丈夫です。高価な楽器や、スパルタな英才教育は必要ありません。
必要なのは、親子のちょっとした「遊び心」だけ。
今回は、子供の脳と耳が劇的に成長する「ゴールデンエイジ」のお話と、毎日の生活の中で遊びながらできる「音感&リズム感トレーニング」についてご紹介します。
目次
「音痴は遺伝する」は嘘? 音楽センスが決まる「6歳までの壁」
まず、皆さんが一番気にしている「遺伝」の話から片付けましょう。
科学的な視点で見ると、「音楽的な才能の素質(耳の良さなど)」に遺伝的要素が全くないとは言えません。しかし、いわゆる「音痴(音が正しく取れない)」のほとんどは、遺伝ではなく「経験不足」が原因です。
言葉で例えると分かりやすいでしょう。
日本人の両親から生まれた子供でも、赤ちゃんの頃からアメリカで育てば、完璧な英語を話すようになりますよね。「親が英語を話せないから、子供も話せない」なんてことはありません。
音楽もこれと同じです。生まれた直後の赤ちゃんは、世界中のあらゆる言語の音を聞き分ける能力を持っていると言われていますが、成長するにつれて「普段聞いている音(母国語)」に特化していきます。
ここで重要になるのが、「聴覚」が発達する時期です。
人間の聴覚は、五感の中で最も早く発達し、そして最も早く成長が止まると言われています。一般的には、2歳から6歳頃までが、耳の力が飛躍的に伸びる「聴覚のゴールデンエイジ」です。
特に「絶対音感(聞こえた音がドレミで分かる能力)」に関しては、この時期までに適切なトレーニングを受けないと身につかないと言われています。
逆に言えば、この時期にたくさんの「良い音」や「リズム」に触れさせてあげることで、親御さんが音痴だろうと関係なく、お子さんの耳はどんどん育っていくのです。
相対音感(音の高低差を聞き分ける力)やリズム感は、大人になってからでも十分に鍛えられますが、幼少期の吸収力が凄まじいのは事実。早いうちがチャンスです。
遊びが最強の学習! 手遊び歌やリトミックが脳に良い理由

では、具体的に何をすればいいのでしょうか。
いきなり楽譜を読ませたり、楽器を持たせたりするのはNGです。「音楽=難しい勉強」と認識されてしまっては元も子もありません。
おすすめなのは、昔ながらの「手遊び歌」や、身体を動かす「リトミック」です。
「むすんでひらいて」や「大きな栗の木の下で」など、幼稚園や保育園でやっているあれですね。実はこれ、脳科学的にも理にかなった素晴らしいトレーニングなんです。
音楽には「リズム」「メロディ」「ハーモニー」という三要素がありますが、子供が最初に興味を持つのは「リズム」です。心臓の鼓動と同じで、リズムは本能的なものだからです。
音楽に合わせて手を叩いたり、足踏みをしたりする時、脳内では「耳で聴いた情報(入力)」を瞬時に処理して「筋肉に指令を出す(出力)」という高度な連携が行われています。
この「聴く→動く」のサイクルを繰り返すことで、リズム感が養われるだけでなく、集中力や運動能力の向上にもつながると言われています。
お家でやるなら、こんな遊びはいかがでしょうか。
●「動物さん行進だ!」ゲーム
音楽(好きな曲でOK)を流して、親子で部屋の中を歩きます。
「ゾウさん!」と言ったら、ゆっくり重たい足取りでドッシン、ドッシン。
「ウサギさん!」と言ったら、ピョンピョンと速いリズムで跳ねる。
「リスさん!」と言ったら、さらに速く小刻みに。
音の速さ(テンポ)や雰囲気(ニュアンス)を体で表現することで、自然と「音楽を聴く耳」が育ちます。何より、パパやママが必死にウサギの真似をしている姿を見れば、子供は大喜び間違いなしです。
ピアノがなくても大丈夫! お家でできる「ドレミ当てクイズ」
「音感を鍛えるにはピアノが必要でしょ?」と思われるかもしれませんが、必ずしも本物のピアノを買う必要はありません。
最近は、正確な音が出るスマホのピアノアプリや、おもちゃのキーボードでも十分代用できます。
大事なのは「音の高さを意識させること」です。
1. 「どっちが高い?」クイズ
まずは単純に、2つの音を弾いて「どっちが高い音かな?」と当てっこします。
最初は「ド」と「高いド」くらい離れた音から始めて、正解したら「すごい!大正解!」と大袈裟に褒めます。
慣れてきたら「ド」と「ミ」、「ド」と「レ」というように、音の幅を狭くしていきます。
2. 「ドレミ」の旗上げゲーム
赤は「ド」、黄色は「レ」、青は「ミ」のように色を決めて、画用紙などで旗を作ります(折り紙でもOK)。
親が「ド〜♪」と音を出したら、子供が赤い旗を上げる。
視覚(色)と聴覚(音)を結びつけることで、音のイメージが定着しやすくなります。
3. グラス・ハープ遊び
ガラスのコップに、水の量を変えて入れてみてください。そして、コップのふちを濡らした指でなぞると、きれいな音がします!
水が多いと低い音、少ないと高い音がします。
「どれがドの音かな?」「キラキラ星が弾けるかな?」と実験感覚で遊ぶのもおすすめです(※コップを割らないように注意してくださいね!)。
これらは「勉強」ではなく、あくまで「クイズ大会」としてやるのがコツです。親御さんも一緒に「えーっと、どっちだろう?」と悩むフリをすると、子供は「私が教えてあげる!」と張り切ってくれますよ。
一番の先生はパパとママ。「音楽好き」に育てるための家庭環境
音感トレーニングのテクニックよりも、もっと大切で、もっと根本的なことがあります。
それは、「家の中に音楽が溢れているか」、そして「親が楽しそうに歌っているか」です。
子供は親の真似をして育ちます。
親が「私は下手だから…」と歌うのを避けていれば、子供も「歌うことは恥ずかしいことなんだ」と感じ取ってしまいます。
逆に、たとえ音程が少しずれていても、お母さんが料理をしながら鼻歌を歌っていたり、お父さんがお風呂で気持ちよさそうに歌っていたりすれば、子供にとって歌うことは「楽しい日常の一部」になります。
まずは、リビングでBGMを流す習慣をつけてみましょう。
クラシックである必要はありません。J-POPでも、ジャズでも、ディズニーソングでも、親御さんが好きな曲で構いません。
「この曲、かっこいいね」「今の太鼓の音、すごかったね」と感想を言い合うだけで、それは立派な音楽教育です。
また、一緒に歌う時は、子供のキー(音域)に合わせてあげる必要はありません。
大人の声と子供の声は違います。むしろ、いろんな高さの声を聞くことが耳の刺激になります。
「音を外しちゃダメ」なんて言わずに、大きな声で歌えたこと、リズムに乗れたことを褒めてあげてください。
「音楽が好き!」という気持ちさえ育てば、子供は自分から勝手に歌い出し、自分から音を探し始めます。その好奇心こそが、音感を育てる一番の栄養素なのです。
まとめ:音楽は「勉強」ではなく「共通言語」
いかがでしたでしょうか。
子供の音感は、特別な才能や遺伝だけで決まるものではありません。
1. 6歳くらいまでの「聴く環境」が大事
2. 体を使ったリズム遊びで脳を刺激する
3. ゲーム感覚で音の高さを意識させる
4. 何より、親子で音楽を楽しむこと!
これなら、今日からすぐにでも始められそうですよね。
音楽は、言葉が通じない相手とも心を通わせることができる、世界共通の言語です。その素晴らしい贈り物を、ぜひお子さんにプレゼントしてあげてください。
そして、もしお子さんが「もっと歌いたい!」「本格的に習ってみたい!」と言い出したり、あるいは親御さん自身が「子供と一緒に歌えるようになりたいけど、自分の歌声に自信がない…」と思ったりした時は、プロの力を借りてみるのも一つの手です。
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【親子で音楽をもっと楽しむために】
「子供の音感をもっと伸ばしてあげたい」
「実は私(親)の方が、歌にコンプレックスがあって…」
そんな時は、オーラボイスボーカルスクールにご相談ください。
オーラボイスでは、大人向けのレッスンはもちろん、お子様の感性を大切に育てる指導も行っています。
「音を楽しむ」という基本を大切にしながら、正しい発声や音感を身につけることで、歌うことが一生の趣味や特技になるはずです。
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