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KingGnu『THE GREATEST UNKNOWN』を語る

 

はじめに:King Gnuが提示した「未知」なる最高傑作

King Gnuの4枚目のアルバム『THE GREATEST UNKNOWN』。
今でも、 最初に通して聴いたときの衝撃を覚えています。「とんでもないものを作ってしまったな」と。

あれから2年が経ち、年が明ければKingGnuのライブツアー「CEN+RAL(セントラル)」がはじまる今、改めてこのアルバムを振り返ってみたいと思います。

King Gnuといえば、「白日」の大ヒット以降、日本の音楽シーンのど真ん中を走り続けてきました。出す曲すべてがヒットチャートを賑わせ、テレビで流れない日はないほどの活躍ぶりです。しかし、彼らは単に「売れているバンド」という枠には収まりません。
このアルバムは、これまでにリリースされた数々のヒットシングルを網羅しているにもかかわらず、まるで「一つの巨大な映画」を見ているような統一感とストーリー性を持っています。

今回は、そんな怪物アルバム『THE GREATEST UNKNOWN』の中から、特に語りたい楽曲たちをピックアップして、その凄みを紐解いていきたいと思います。音楽理論なんて小難しいことは抜きにして、いちファンの熱量でお届けしますので、ぜひ最後までお付き合いください。

 

第2章の幕開け、新たな王道「SPECIALZ」

まず触れなければならないのが、アルバムの核とも言える「SPECIALZ」です。
アニメ『呪術廻戦』のオープニングテーマとしても世界中で爆発的なヒットを記録したこの曲ですが、King Gnuの歴史において非常に重要な意味を持っていると感じます。

これまでのKing Gnuの代表曲といえば、やはり「白日」が挙げられることが多かったでしょう。あの美しくも切ないメロディ、洗練されたポップスとしての完成度。あれが彼らの「表の顔」だとすれば、「SPECIALZ」は彼らが本来持っている「ドロドロとした混沌(カオス)」や「攻撃的なグルーヴ」を、そのままポップスのど真ん中に突き刺したような楽曲です。

低音の効いた怪しげなイントロから始まり、常田大希さんの呪術的なボーカルと、井口理さんの妖艶な歌声が絡み合う。聴いているだけで、怪しい夜の街に迷い込んだような高揚感があります。
「白日」以降、さらに進化し、良い意味で開き直った彼らが提示した「これが今の俺たちの王道だ」という宣言。それがこの曲には詰まっています。アルバムの流れで聴くと、そのダークなカッコよさがより一層際立って聞こえてくるから不思議です。

 

隠れたリードトラック?ライブで化ける「):阿修羅:(」

続いて紹介したいのが、タイトルからして異彩を放っている「):阿修羅:(」です。
この曲、ミュージックビデオ(MV)も作られていなければ、シングルカットもされていません。いわゆる「アルバム曲」の一つに過ぎないはずなのですが、ファンの間では「実質的なリードトラックではないか?」と囁かれるほどの人気を誇っています。

その理由は、ライブやテレビ出演でのパフォーマンス頻度の高さ、そして楽曲そのものが持つ圧倒的な熱量にあります。
ヒューチャーベースのビートを土台としながら、ロックバンドとしての激しいセッション感も満載。常田さんと井口さんが、まるで阿修羅像のように声を掛け合い、入れ替わり立ち替わり歌い上げる様は圧巻の一言です。

「降参です 修羅修羅」という耳に残るフレーズや、遊び心満載の歌詞。アルバムの中でも特に「バンドとしての楽しさ」が爆発している楽曲だと言えるでしょう。MVがないからこそ、ライブで生演奏を聴いた時の「これこれ!これを待ってた!」という爆発力が凄まじいのです。アルバムを聴く際は、ぜひボリュームを上げて、彼らの遊び心に身を委ねてみてください。

 

賛否両論?それでもこれしかなかった「千両役者 (ALBUM Ver.)」

さて、このアルバムを語る上で避けて通れないのが「千両役者 (ALBUM Ver.)」です。
もともとシングルとしてリリースされていた「千両役者」は、疾走感あふれる鋭利なロックナンバーでした。ドラムが手数多く暴れまわり、ギターがギャンギャンに歪んでいる、あの初期衝動のようなカッコよさが魅力でしたよね。

しかし、このアルバムに収録されたバージョンは、なんと大胆なエレクトロアレンジ。
初めて聴いた時は「えっ、こう来たか!?」と驚き、戸惑ったファンも多かったのではないでしょうか。SNSなどでも賛否両論があったアレンジですが、アルバム全体を通して聴いた今、私はこう断言できます。「このアルバムに入れるには、この形しかありえなかった」と。

『THE GREATEST UNKNOWN』全体に通底するのは、緻密に構築された音響的な世界観です。もしここに、原曲通りの荒々しいロックサウンドがそのまま入っていたら、少し浮いてしまっていたかもしれません。
原曲の持っていたスピード感を、デジタルなビートとシンセサイザーで再構築することで、アルバムの「近未来的」かつ「混沌」とした色に見事に馴染ませています。聴けば聴くほど、「このアレンジじゃないと満足できない体」にされてしまう、恐ろしい説得力を持った一曲です。

 

無敵の青春アンセム「雨燦々」

ダークで重厚な曲が続いたあとに、ふと雲間から光が差すように流れてくるのが「雨燦々」です。
ここまで爽やかで、ストレートに胸に響くKing Gnuの曲がかつてあったでしょうか。

ドラマ『オールドルーキー』の主題歌としても愛されたこの曲ですが、アルバムの中で聴くと、その「救い」のような明るさがより一層際立ちます。「SPECIALZ」や「):阿修羅:(」で見せたダークヒーローのような一面とは真逆の、汗と涙がきらめく青春映画のような世界観。
「選ばれなかった者たち」への応援歌とも取れる歌詞は、井口さんの伸びやかな歌声によって、聴く人の心の澱(おり)を洗い流してくれます。

「King Gnuって、こんなに真っ直ぐな青春ソングも書けてしまうのか…」と、改めて彼らの引き出しの多さに脱帽します。アンダーグラウンドなカッコよさも、大衆を感動させるポップネスも、すべて自分たちのものにしてしまう。この「無敵感」こそが、King Gnuが最強のバンドである所以なのかもしれません。

 

壮大なフィナーレ、物語を締めくくる「三文小説」

そして、この壮大なアルバムの最後(実質的なラスト)を飾るのが名曲「三文小説」です。
この曲もまた、アルバムという流れの中で聴くことで、新たな響きを持って迫ってきます。

「千両役者」のアルバムバージョンと同様、この曲もまた、緻密なエレクトロニクスと生のオーケストレーションが融合した、極めて現代的で壮大なアレンジが施されています(もともと壮大な曲ですが、アルバムの流れで聴くとその電子音の煌めきがより親和性高く感じられます)。
地を這うような重低音と、天まで届きそうな井口さんのハイトーンボイス。その対比は、まるでオペラのクライマックスを見ているかのようなドラマチックさです。

アルバム『THE GREATEST UNKNOWN』という長い旅路。混沌、熱狂、爽快、そして哀愁。すべてを通り抜けた最後にこの曲が流れることで、「ああ、すごい物語を見終わったな」という深いカタルシスを得ることができます。
単なるバラードではなく、アルバム全体を包み込むようなスケールの大きさ。この曲が最後に控えているからこそ、私たちは安心して冒頭のカオスに飛び込むことができるのでしょう。完璧な締めくくりです。

 

「ヌーの群れ」はどこまでも進んでいく

King Gnuのアルバム『THE GREATEST UNKNOWN』について、いくつかの楽曲に焦点を当てて語ってきましたが、いかがでしたでしょうか。
もちろん、今回紹介しきれなかった曲たちも、一曲残らず名曲です。スキップする曲なんて一つもありません。

このアルバムは、King Gnuというバンドが、日本の音楽シーンにおいて「誰も到達したことのない場所」へ行こうとしている証そのものです。難解なのにポップ。狂気的なのに美しい。そんな矛盾を孕んだ彼らの音楽は、これからも私たちを驚かせ、熱狂させてくれることでしょう。

まだアルバムを通して聴いていないという方は、ぜひ時間を作って、曲順通りに聴いてみてください。そこにはきっと、シングル曲だけを聴いていた時には気づかなかった、新しい発見と感動が待っているはずです。

 


 

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