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2025.12.18

コラム雑談

バラエティ番組から生まれた名曲


テレビがまだ、家族全員の共通言語だった時代。
ゴールデンタイムのバラエティ番組は、単に笑いを提供するだけの場所ではありませんでした。そこは、時に涙を誘うドキュメンタリーの舞台であり、そして何より、時代を彩る「名曲」が生まれるヒット工場でもあったのです。

「えっ、あの芸人さんが歌うの?」
最初はそんな驚きや冷やかし半分の気持ちで見ていたはずが、気づけばCDを買いに走り、カラオケで熱唱していた……。そんな経験、ありませんか?
バラエティ番組の企画から誕生したユニットや楽曲は、プロの歌手顔負けのクオリティと、番組という物語(ストーリー)が乗っかることで、爆発的なヒットを記録してきました。

今回は、今聴いても色褪せない「バラエティ番組から生まれた名曲」たちを振り返ります。
特に、社会現象を巻き起こしたあの伝説のユニットや、不器用だからこそ心に響いたあの3人組など、懐かしい記憶とともにその魅力を再発見していきましょう。

 

 

90年代の熱狂:『ウリナリ!!』が生んだライバル物語

バラエティ発の音楽ユニットと聞いて、まず多くの人が思い浮かべるのが、1990年代後半に放送されていた日本テレビ系『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』ではないでしょうか。
この番組は、単にコントをするのではなく、出演者が社交ダンスやドーバー海峡横断部など、本気で何かに挑戦する姿を追いかける「ドキュメントバラエティ」の先駆けでした。

その中で生まれたのが、「ポケットビスケッツ(ポケビ)」と「ブラックビスケッツ(ブラビ)」という二大ユニットのライバル関係です。
内村光良さん、千秋さん、ウド鈴木さんによるポケビが、王道のポップス路線でミリオンセラーを飛ばせば、それに対抗して南原清隆さん、天野ひろゆきさん、ビビアン・スーさんによるブラビが結成される。

視聴者は、新曲を出すために課された過酷な条件(CDを何枚売らなければ解散、署名を何万人集めなければ新曲が出せない、など)をクリアしようと必死になる彼らの姿を、毎週固唾を飲んで見守っていました。
「もし条件をクリアできなかったら、本当に解散させられてしまう」
そんなヒリヒリするような緊張感と、それを乗り越えた時のカタルシスが、楽曲への愛着を何倍にも膨れ上がらせていたのです。

 

「ズレ」を肯定する優しさ。ブラックビスケッツ『Timing』

数ある『ウリナリ!!』発の楽曲の中でも、特に傑作として名高いのが、ブラックビスケッツの『Timing(タイミング)』(1998年発売)です。
当時、約148万枚という驚異的なセールスを記録しました。

この曲がすごいのは、単にメロディがキャッチーだったからだけではありません。歌詞に込められたメッセージが、実に深くて温かいのです。
メインボーカルを務めたビビアン・スーさんは台湾出身。言葉の壁もあり、番組の進行において時折「間の悪い」発言や行動をしてしまうことがありました。
しかし、この曲はそんな「間の悪さ(タイミングのズレ)」こそが、予定調和な日常を変えるスパイスになるんだ、と歌っているのです。

ズレた間のワルさも それも君のタイミング
このサビのフレーズに救われた人はどれほどいたでしょうか。
みんなと同じでなくてもいい、ちょっと浮いていてもそれが個性だ。そんな肯定的なメッセージが、中西圭三さんが作曲した最高にグルーヴィーなダンスミュージックに乗って届けられる。
近年、TikTokなどを通じて若者世代の間でリバイバルヒットしたのも、この曲が持つ普遍的な「人間賛歌」のパワーがあったからに違いありません。

 

おバカキャラの逆襲?『ヘキサゴン』と羞恥心のブレイク

時は流れて2000年代後半。もう一つの大きなムーブメントが起こります。
フジテレビ系『クイズ!ヘキサゴンII』から誕生したユニット、「羞恥心(しゅうちしん)」です。

つるの剛士さん、上地雄輔さん、野久保直樹さんの3人によるこのユニット。
もともとは、クイズ番組でお珍回答を連発する「おバカキャラ」としていじられていた彼らでしたが、いざ歌って踊らせてみると、その直向きさとカッコよさに日本中が熱狂しました。
ユニット名の由来が、上地さんが「羞恥心」という漢字を読み間違えた(「さじしん」と読んだという逸話があります)ことから来ているというのも、バラエティらしいエピソードです。

彼らのデビュー曲『羞恥心』は、とにかくエネルギッシュ。「ドンマイ ドンマイ」と連呼するサビは、難しいことを考えずに騒ごうぜ!という底抜けの明るさに満ちていました。
勉強ができなくても、間違ってしまっても、一生懸命やる姿はカッコいい。彼らのパフォーマンスは、閉塞感漂う社会に対するアンチテーゼのようにも映りました。
タオルを振り回して応援したくなる彼らのキャラクターは、まさに「愛すべき等身大のヒーロー」だったのです。

 

なぜバラエティ発の曲は心に響くのか

『Timing』や『羞恥心』以外にも、『はっぱ隊』の「YATTA!」や、とんねるずとDJ OZMAによる『矢島美容室』など、枚挙にいとまがありません。
なぜ、バラエティ番組から生まれた曲は、ここまで私たちの心に残るのでしょうか。

一つの理由は、「ギャップ」です。
普段、テレビでバカなことをやって笑わせている芸人やタレントが、真剣な表情で歌い、汗をかいて踊る。その「本気」の姿に、私たちは心を打たれます。
「あのふざけている人が、こんなに良い声で歌うんだ」「こんなに練習したんだ」という背景を知っているからこそ、歌詞がストレートに響くのです。

そしてもう一つは、制作陣の本気度です。
「企画モノだから適当でいいや」ではなく、作曲や作詞に日本を代表するトップクリエイターを起用することがほとんどです。
笑いのプロと音楽のプロが、「面白いものを本気で作ろう」とタッグを組んだ時、そこには計算を超えた化学反応が生まれます。
音楽番組に出る本職の歌手とはまた違う、視聴者と同じ目線に立った親しみやすさが、これらの楽曲の最大の武器なのかもしれません。

 

世代を超えて愛される「元気が出る歌」

面白いことに、これらの楽曲は一過性のブームで終わらず、長く愛され続けています。
先述したブラックビスケッツが20年以上の時を経て『紅白歌合戦』に復活出場した際、テレビの前で大盛り上がりしたのは、当時リアルタイムで見ていた親世代だけでなく、TikTokで知った子供世代も一緒でした。

「はっぱ隊」の『YATTA!』などは、そのポジティブすぎる歌詞と奇抜なビジュアルが海外でもミームとなり、国境を越えて「元気が出るソング」として定着しています。
バラエティ番組という枠組みから生まれた曲たちは、いつしか「日本のポップカルチャー」の一部として、独自の立ち位置を確立したと言えるでしょう。

辛い時や落ち込んだ時、難解な芸術作品よりも、こうした「理屈抜きの明るさ」を持った曲の方が、心を救ってくれることがあります。
「生きてるだけで丸儲け」「なんとかなるさ」。そんなシンプルなメッセージを、笑いと共に届けてくれる。それがバラエティ名曲の真髄なのです。

 

まとめ:完璧じゃなくていい、楽しむ心が一番

バラエティ番組から生まれた名曲たちを振り返ると、そこには共通して「楽しむことの天才たち」の姿がありました。
歌唱力が完璧でなくても、ダンスが少しズレていても、全力でパフォーマンスする姿はこんなにも魅力的になれる。
そんなことを、彼らは教えてくれています。

今度の休日は、久しぶりにこれらの曲をプレイリストに入れてみませんか?
掃除をしながら『Timing』でステップを踏んだり、ドライブ中に『羞恥心』を大声で歌ったり。
当時の番組の記憶とともに、きっと明日への活力が湧いてくるはずです。
笑って、歌って、心を軽くする。そんな音楽の楽しみ方が、一番贅沢なのかもしれませんね。

 


 

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バラエティ番組から生まれた名曲たちのように、歌において一番大切なのは「上手さ」よりも「あなたらしさ」や「楽しむ心」です。
でも、「もっと気持ちよく声を出したい」「リズム感を良くしたい」という願いを叶えれば、歌うことはもっともっと楽しくなります。

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