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2025.12.09
コラムボカロの種類が多すぎるので、整理しよう

「最近、ボカロ曲がまた流行ってるな〜。ちょっと聴いてみようかな」
「自分も歌わせてみたいけど、ソフトを買えばいいの?」
そう思って調べてみたものの、画面をそっと閉じてしまった経験はありませんか?
「VOCALOID6?」「CeVIO AI?」「Synthesizer V?」
「え、重音テトって初音ミクの仲間じゃないの?」
そうなんです。今の合成音声界隈は、まさに群雄割拠。
かつては「機械の声=ボーカロイド」という認識でほぼ間違いではありませんでしたが、現在は技術の進化により、全く異なる仕組みを持った「別々のブランド」が乱立している状態なのです。
これは例えるなら、ゲーム機のようなものです。
「マリオ」を遊ぶなら任天堂スイッチ、「FF」を遊ぶならプレステが必要ですよね。
それと同じで、「使いたいキャラ(歌声)」によって、必要な「土台となるソフト(エンジン)」が違うのです。
今回は、複雑怪奇に見える「ボカロ(広義の合成音声)」の種類を、初心者の方にも分かりやすく整理して解説していきます。
それぞれの特徴を知れば、あなたが聴いているあの曲が「何」で作られているのかが分かり、音楽がもっと楽しくなりますよ!
目次
1. すべての原点にして王道「VOCALOID(ボーカロイド)」
まずは、これを知らなきゃ始まらない、ヤマハ(YAMAHA)が開発した「VOCALOID」です。
世間一般では合成音声全般を「ボカロ」と呼びますが、厳密にはヤマハのエンジンを使っている製品だけが「VOCALOID」です。
「ステープラー」をみんな「ホッチキス」と呼ぶのと同じ現象ですね。
主なキャラクター
- 初音ミク
- 鏡音リン・レン
- 巡音ルカ
- GUMI(Megpoid)
特徴:独特の「ボカロっぽさ」が魅力
歴史が長く、ニコニコ動画やYouTubeでヒットした名曲の多くは、このVOCALOIDシリーズで作られています。
初期のバージョンは「機械が頑張って歌っている感」がありましたが、それが逆に「人間には歌えない無機質な魅力」として愛されてきました。
最新版の「VOCALOID6」ではAI技術が搭載され、滑らかさが格段にアップしていますが、それでも「あ、ボカロだ!」と分かる独特の個性(抜けの良い声)は健在です。
「THE・ボカロ曲」を作りたいなら、やはり本家本元のこれを選ぶのが正解です。
2. 人間と区別がつかない!?驚異の進化「Synthesizer V」
今、クリエイターの間で最も衝撃を与え、急速にシェアを広げているのが「Synthesizer V(シンセサイザー・ブイ)」。
Dreamtonics社が開発したこのソフトの特徴は、なんといっても「怖いくらいリアル」だということ。
主なキャラクター
- 重音テト(SV版)
- 花隈千冬
- 小春六花
- Mai(ソフトに付属している無料なのに高品質な歌声)
特徴:調声(チューニング)なしでプロの歌唱
これまでのボカロは、人間らしく歌わせるために、ユーザーが細かく音の高さや震え方を調整する「調声(ちょうせい)」という職人芸が必要でした。
しかし、Synthesizer Vは、歌詞とメロディを入力して再生ボタンを押すだけで、勝手にAIが「しゃくり」や「ビブラート」、そして「息継ぎ」まで完璧に入れてくれます。
初めて聴いた人は「え、これ人間が歌ってるんじゃないの?」と耳を疑うレベルです。
最近YouTubeで「人間みたいに歌う重音テト」の曲をよく聴きませんか? あれはこのSynthesizer Vで作られていることが多いのです。
3. おしゃべりも歌も得意なAI「CeVIO AI」と新星「VoiSona」
次にご紹介するのは、テクノスピーチ社などの技術が使われている「CeVIO(チェビオ)AI」と、その姉妹版である「VoiSona(ボイソナ)」です。
主なキャラクター
- 可不(KAFU)
- 星界
- 裏命
- 知声(Chis-A)
特徴:ハスキーで特徴的な声と「喋り」
CeVIOプロジェクトの最大の特徴は、歌だけでなく「トーク(喋り)」も得意なソフトが多いことです(※製品によります)。
そして、今の音楽シーンで欠かせないのが、Vtuberの花譜さんの声を元にした「可不(KAFU)」という存在です。
「キュートなカノジョ」や「フォニイ」などの大ヒット曲で使われている、あの少しハスキーで気怠げな、中毒性のある歌声。
Synthesizer Vが「リアルな人間」を目指しているとしたら、CeVIO AI(特に可不)は「人間と機械の間の、魅力的なキャラクター」を確立している印象です。
また、「VoiSona」についても触れておきましょう。
これはCeVIOとエンジンはほぼ同じなのですが、ソフト自体は無料でダウンロードでき、使いたい声(キャラクター)を「サブスクリプション(月額・年額)」で借りるという新しいシステムの製品です。
初期費用を抑えて始めたい人には、VoiSonaが一番手軽かもしれません。
4. 無料で使える伝説のフリーソフト「UTAU」
最後にご紹介するのは、2008年から存在するフリーソフト「UTAU(ウタウ)」です。
これは企業が作ったものではなく、有志によって開発・配布されているツールです。
主なキャラクター
- 重音テト(元祖)
- デフォ子(唄音ウタ)
- その他、数千・数万のユーザー製ボイス
特徴:無限の自由とDIY精神
UTAUのすごいところは、「自分の声を録音して、誰でもオリジナルのボカロを作れる」という点です。
そのため、ネット上には世界中のユーザーが作った膨大な数の「音源ライブラリ」が存在し、そのほとんどが無料で使えます。
操作画面は少し古めかしく、AIのような自動補正もないため、上手に歌わせるにはかなりの技術と根気が必要です。
しかし、その不自由さや、機械っぽいノイズ混じりの声を愛するファンは多く、今でも「UTAUでしか出せない味」を求めて使い続けるクリエイターがたくさんいます。
(※先ほど紹介したSynthesizer V版の重音テトは、このUTAU版テトの人気爆発を受けて、公式ソフトとしてリメイクされたものです。感動的な出世物語ですね!)
まとめ:結局、どれを選べばいいの?
ここまで読んで、「結局どれがいいの?」と迷ってしまったかもしれません。
最後に、選び方のヒントをまとめておきましょう。
- 「初音ミク」が好き! 王道のボカロサウンドを作りたい!
→ 迷わず「VOCALOID」へ。
- 「初音ミク」が好き! 王道のボカロサウンドを作りたい!
- 人間みたいなリアルな歌声に感動したい! 調声の手間を減らしたい!
→ 「Synthesizer V」がおすすめ。
- 人間みたいなリアルな歌声に感動したい! 調声の手間を減らしたい!
- 「可不(KAFU)」の声を使いたい! 今っぽい曲を作りたい!
→ 「CeVIO AI」または「VoiSona」へ。
- 「可不(KAFU)」の声を使いたい! 今っぽい曲を作りたい!
- 無料で遊び倒したい! マニアックな世界を覗きたい!
→ 「UTAU」に挑戦。
- 無料で遊び倒したい! マニアックな世界を覗きたい!
一口に「ボカロ曲」と言っても、その裏側にはこんなにも多様な技術と文化が広がっています。
次に動画サイトで曲を聴くときは、「お、これはSynthesizer Vかな?」「これは可不ちゃんの声だ!」と耳を澄ませてみてください。
きっと、今までとは違った深みで音楽を楽しめるはずですよ。
【この記事を書いた人・スクール紹介】
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