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2025.11.19

コラム

音程とは何か

音程って言葉、よく使うけど……


音程
音楽に関する言葉の中でも、日常的に出会う用語です。なんとなく、意味は知っているつもりでいる。
でも、「”ピッチ”とは何が違うのか」「なぜドレミファソラシドなのか」と問われると、答えに詰まる人も多いでしょう。

この記事では、私たちが何気なく使っている“音程”の仕組みを、やさしく解き明かしていきます。


目次

  1. 音程とは?ピッチとの違い
  2. なぜ「ドレミファソラシド」?いつから生まれた?
  3. 微分音――12音では足りない世界
  4. まとめ:音程は“人類の発明”である

1. 音程とは?ピッチとの違い

音程というのは、2つの音の高さの差(距離)のことです。
たとえば「ド」と「レ」、「ソ」と「ラ」のあいだにも、それぞれ決まった“間隔”があります。
その間隔を数字であらわしたり、名前をつけて区別したりしたものが「音程」です。

一方で、ピッチ(Pitch)というのは「ひとつの音の高さ」そのものを指します。
つまり、ピッチが“ひとつの点”だとしたら、音程は“点と点の間の距離”。
地図でたとえるなら、ピッチは「場所」で、音程は「その場所どうしの距離」です。

たとえば「ラ(A)」の音は440Hz(ヘルツ)といわれます。
これは「空気が1秒間に440回ふるえている音」という意味です。
このラの音から、すぐ上の「シ(B)」までのあいだには「長二度(ちょうにど)」という音程があり、音の振動の速さは約1.12倍になります。

つまり、音程は“どれくらい音の高さが違うか”という比率でできているのです。
「ドレミファソラシド」という並びは感覚的に覚えている人が多いですが、その裏にはちゃんとした物理学と数学の法則が隠れています。


2. なぜ「ドレミファソラシド」?いつから生まれた?

そもそも「ドレミファソラシド」という呼び方は、今からおよそ1,000年前、イタリアの修道士グイド・ダレッツォという人が作ったものです。
彼は聖歌を覚えやすくするために、ラテン語の歌「Ut queant laxis(ウット・クエアント・ラクシス)」の歌詞から、それぞれの節の最初の音を取って、音に名前をつけました。

その最初の音が「Ut(ウト)」「Re(レ)」「Mi(ミ)」「Fa(ファ)」「Sol(ソ)」「La(ラ)」です。
のちに「Ut」はちょっと発音しづらいという理由で「Do(ド)」に変えられ、さらに「Si(シ)」が加えられて、今の「ドレミファソラシド」になりました。
つまり、ドレミファソラシドは、聖歌を教えるために考え出された“音の名前の覚え方”だったのです。


では、どうして1オクターブ(ドから次のドまで)が12個の音でできているのでしょうか?
これは昔の人たちが、音を数学的に研究したことに関係しています。

古代ギリシャの哲学者ピタゴラスは、弦の長さの比から「きれいに響く音の関係」を見つけました。
たとえば、弦の長さを1:2にすると“オクターブ”、2:3にすると“完全五度”、3:4にすると“完全四度”といった具合です。
つまり、「音が気持ちよく響く理由」には、ちゃんと数字の法則があったのです。

でも、これらの比率をそのまま積み重ねていくと、だんだん音の高さが少しずつズレていってしまいました。
そこで、ヨーロッパの音楽家たちは考えました。
「だったら、少しズレを分け合って、どの調でもきれいに聞こえるようにしよう!」
こうして生まれたのが平均律(へいきんりつ)という仕組みです。

平均律とは、1オクターブを12個の“ほぼ同じ幅”の音に分ける方法のこと。
このおかげで、どんなキーでも自由に曲を作れるようになり、バッハやベートーヴェンのような名作が生まれたのです。


3. 微分音 ― 12音では足りない世界

ところで、私たちは“12個の音”しかない世界に住んでいるのでしょうか?
実は違います。
現代音楽や民族音楽では、「微分音(びぶんおん)」という概念が登場します。

微分音とは、半音よりもさらに細かい音程のことです。
ピアノの鍵盤でいうと、「白鍵と黒鍵の間に、もう一つの音がある」ような感覚。
例えば、トルコ音楽やアラブ音楽では、24分音(オクターブを24に分ける)などが普通に使われます。
それにより、独特の哀愁や揺らぎを表現できるのです。

現代のポップスやR&Bでも、歌手が音程を“少し外して”味を出すことがあります。
これは微分音的感覚に近く、完全な音程よりも“揺らぎ”が人間らしさを生むという逆説的な魅力があるのです。


4. まとめ:音程は“人類の発明”である

音程とは単なる「距離」ではなく、人間が音の秩序を見つけ出そうとした文明の成果です。
ピッチ(高さ)を並べ、比率を整え、やがて“音階”を作り出した。
それは、言葉や数学と同じく、私たちの思考の産物です。

そして現代では、平均律を超えた微分音の世界が広がりつつあります。
音程の概念は固定ではなく、文化や技術によって変化していく――。
それこそ、音楽が「生きている」証拠ではないでしょうか。


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