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2025.11.04
コラムコラボで生じる化学反応!人気アーティストのコラボ曲を紹介
人気アーティストのコラボってわくわくしますよね
なぜ“コラボ曲”は特別なのか?
コラボ曲は、アーティスト同士の世界観が交わる交差点。声の相性や作家性の違いが足し算にも掛け算にも働き、単独作では生まれにくいリズムやメロディ、言葉の響きが立ち上がります。今回は、日本のポップ・フィールドで広く知られる5つのコラボを、“どこが化学反応の核なのか”に焦点を当てて紹介します。
米津玄師 × 宇多田ヒカル「JANE DOE」
2025年公開の『劇場版 チェンソーマン レゼ篇』エンディング・テーマとして制作された初タッグ。情報解禁と同時に公開記念PVや配信情報が展開され、ダブルA面『IRIS OUT / JANE DOE』の一環として作品と並走しました。
米津の深い歌声と宇多田の繊細な発音が、抜群にマッチしているこの一曲。2人とも低〜中域のニュアンスが豊かで、心をぐっとつかまれるような切ない歌唱が展開されます。
ボカロ出身でグリッドにぴったりと合った歌を歌う米津氏と、レイドバックを駆使しながら独自のリズムを展開する宇多田氏。二人の歌い方が大きく違うために、レコーディングの過程では何度も試行錯誤が繰り返されたのだとか。
その甲斐あって、この伝説的なコラボが生まれたと思うと、喜びもひとしおです。
millennium parade × 椎名林檎「W●RK」
常田大希率いるmillennium paradeと椎名林檎による強力コラボ。かねてより互いへのリスペクトを公言していた両者のタッグとあって、リスナーからの期待も大きいものでした。
「W●RK」はTVアニメ『地獄楽』オープニング曲として起用され、オリコン5位、Billboard Japan Hot 100で上位入りするなど、アニメ界隈と邦楽シーンの両輪で話題をさらいました。
サウンドは、常田氏と椎名氏に共通する「ロック」が軸になったもの。とはいえ、それだけでは到底収まらないのがこの二組です。
鋭く重厚なブラスやベース、そしてギターソロが彩る、2人の拡声器ボーカルは圧巻の一言。このコラボを待ち望んでいたファンも多かったことでしょう。
2024年に行われたKingGnuのドームツアーでは、なんと椎名林檎がサプライズでゲスト出演。演奏された「W●RK」は、この日一番ともいえる異様な盛り上がりを生みました。
井上陽水 × 安全地帯「夏の終わりのハーモニー」
1986年9月25日、Kitty Recordsから発売されたコラボ・シングル。作詞は井上陽水、作曲は玉置浩二、編曲に星勝と安全地帯・中西康晴がクレジットされる“日本ポップス史”級の王道デュエットです。
同じ中低域を得意とする二人が、音程の寄せとビブラートの幅で差異化し、終盤にむけて“合流”していく構図が名人芸。アレンジはシンプルでも、ため息のようなブレスや語尾の抜きが季節感を運びます。カラオケで二人が向き合って歌うと、なぜか友情が深まる——そんな魔力を持った名曲です。
コブクロ × 絢香「WINDING ROAD」
2007年2月28日リリースのコラボ・シングル。日産「キューブ」のCMソングとしてお茶の間に広く知られました。作詞作曲は小渕健太郎・黒田俊介・絢香の連名で、3者の作家性が“3つの旋回路”のように絡む設計です。
聴きどころはコブクロの分厚いユニゾンと、絢香の芯の太いベルティングの組み合わせ。サビのコード運びは平易でも、ハーモニーの“膨らみ方”で感情の推進力を作るタイプ。A→B→サビで少しずつ音域を上げ、最後に壮大なハーモニーとなって大団円を迎える——文字通り“曲がりくねりながら辿り着く”物語性が、歌の体感に落ちています。
Mrs. GREEN APPLE × 井上苑子「点描の唄」
2018年8月1日リリースのシングル「青と夏」に収録されたコラボ曲(feat. 井上苑子)。その後、ライブや配信でロングヒット化し、ストリーミング節目での記念コンテンツ公開も重ねてきました。それぞれのソロ歌唱版もリリースされています。
繊細なピアノとストリングス、語りかけるような男女ツインボーカル。音域が広くハモリも複雑で、歌いこなすにはなかなか骨の折れる難曲です。
とにかく美しいとしか言いようのないデュエットに感嘆するばかりの作品です。
まとめ:1+1が3にも4にもなる瞬間
コラボの妙は“違いの活用”にあります。作家性の違い、声のレンジの違い、言葉の癖の違い——それらが衝突せず、互いの余白を満たすとき、1+1が3にも4にもなる。今回紹介した5曲は、いずれも“コラボの最適解”を、それぞれの方法で提示してくれます。プレイリストに並べて聴くと、ハーモニーの作り方の違い(誰が上声に回るか)、ベースの置き方(前ノリか後ノリか)など、発見が何倍にも増えるはず。大好きなアーティストの、また新たな側面を見られる絶好の機会であるコラボを曲を、皆様もぜひご堪能ください。