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“歌が下手”と思い込んでいる人に伝えたい3つのこと
それ、音痴じゃないかもしれません

カラオケで「自分、歌下手なんで……」と前置きしてから歌い始める人、けっこういますよね。
でも実は、その「下手」という自己評価、けっこう根拠があいまいなことが多いんです。
「音痴だから」「声が出ないから」「リズム感がないから」──。
理由はさまざまですが、実はその多くがトレーニングや環境次第で改善できるもの。
この記事では、「自分は歌が下手だ」と思い込んでいる人にぜひ伝えたい3つのことを、根拠とともにわかりやすく紹介します。
① 「音痴」は才能ではなく、脳と耳の認識のズレ

「音痴だからどうにもならない」と諦めていませんか?
実は、医学的・心理学的に見ても「本当の意味で音痴」な人はごくわずかです。
音痴には大きく分けて2種類あります。
- (1)先天的音痴:脳の音高認識能力に先天的なズレがあるケース
- (2)習慣的・環境的な音痴:自分の声を正しく聞けていない、あるいは音感トレーニングの機会がなかったケース
先天的音痴は研究によると人口の約4%程度と言われています。
つまり、残りの96%は「音痴ではなく、ちょっとしたトレーニング不足」です。
特に多いのが、自分の声をモニタリングできていない「環境的音痴」。
カラオケなどでスピーカーの音が大きいと、自分の声がうまく聴き取れず、ピッチがずれるという現象が起こります。これはプロでもイヤモニを使わなければ起こることがあるほど、よくある現象です。
つまり、「音痴だから…」と諦める必要はまったくありません。
多くの場合、それは「聞こえ方」と「慣れ」の問題なのです。
② 声が出ないのは「声帯が弱い」からではない

「高音が出ない」「声がこもる」「喉が痛くなる」──これらの悩みを「自分の喉が弱いから」「才能がないから」と思い込んでいませんか?
実は声が出ない理由の多くは、声帯そのものではなく“使い方”にあります。
声帯は筋肉の一種で、適切な呼吸と姿勢があれば誰でもある程度は鳴らせるものです。
プロのボーカリストも最初から高音が出ていたわけではなく、発声練習によって声帯のコントロール力を高めています。
特に大切なのは「呼吸法」と「喉の開き」。
腹式呼吸を使ってしっかり息を支え、喉を閉めずに声を通すことで、無理なく音域を広げることが可能です。
声帯を鍛えるというより、「体全体を使って声を支える」感覚を身につけることが重要なのです。
また、声の響き方は録音環境やマイクの種類によっても大きく変わります。スマホの内蔵マイクだけで判断して「自分の声はダメだ」と思い込むのは、少しもったいない話です。
③ 下手だと決めつける前に、「聴き方」を変える
歌が上手くなるためには、ただ「たくさん歌う」だけでは不十分です。
実は「どう聴くか」が大きなカギを握っています。
多くの人は、自分の声を正確に聴けていないまま「下手」と判断しています。
スマホで自分の歌を録音して聞いてみると、「え、こんな声なの!?」と驚く人が多いのはそのためです。
これは「骨伝導」と呼ばれる現象で、私たちは普段、自分の声を骨を通して聞いているため、実際の空気の振動(他人が聞く声)とは違って聞こえています。
自分の歌を録音して聴き返すことは、最初は少し恥ずかしいかもしれません。でも、それこそが正確な自己フィードバックの第一歩です。
プロのボーカリストも、自分の歌を細かく聴き返し、ピッチやリズム、息の使い方をチェックして改善を重ねています。
また、上手な人の歌を「BGMとして」ではなく、「分析するように」聴くのも効果的です。
ピッチ、リズム、ブレスの位置、声の表情……最初は全部わからなくても、意識して聴くことで少しずつ耳が育ちます。
まとめ:歌は“センス”ではなく“育つ力”
「自分は歌が下手」と思い込んでいる人の多くは、才能がないのではなく、正しい情報と練習方法を知らないだけです。
- 音痴は才能ではなく、耳と脳の認識のズレ
- 声が出ないのは、喉ではなく使い方の問題
- 聴き方を変えることで、上達のスピードが激変する
歌は一部の天才だけのものではありません。
誰でも「聴く力」と「正しい練習」を積み重ねれば、確実に上手くなっていきます。
カラオケでマイクを握るとき、「自分は下手だから…」という枕詞はちょっと置いておいて、自信をもって声を出してみてください。
意外と、あなたの歌声は他の人にとって“心に残る声”かもしれませんよ。