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2025.10.23

コラム

イヤモニ(インイヤーモニター)って何?プロが使う理由

イヤモニについて解説します


ライブ映像を見ていると、歌手や演奏者が耳に“何か”を入れているのを見たことはありませんか?あれ、ただのイヤホンではなく、実はプロのステージに欠かせない「イヤモニ(インイヤーモニター)」と呼ばれる重要な機材なんです。

この記事では、イヤモニの基本から必要な理由、選び方までを、音楽に詳しくない方でも分かるようにやさしく解説します。途中にちょっとした裏話やユーモアも交えつつ、ライブの裏側を一緒にのぞいてみましょう。


イヤモニ(インイヤーモニター)とは?

イヤモニとは、「In-Ear Monitor(インイヤーモニター)」の略で、ステージ上で自分の声や演奏を正確に聴くための機器です。見た目はカナル型イヤホンに似ていますが、その役割はまったく違います。

通常、ライブ会場ではスピーカーから大音量が鳴っています。その中で歌ったり演奏したりすると、自分の音が客席の反響にまぎれてよく聞こえないという問題が起こります。そこで登場するのがイヤモニ。マイクや楽器の音をミキサーでまとめ、ワイヤレスでイヤモニに送ることで、自分専用のモニターミックスをリアルタイムに聴くことができるのです。

つまりイヤモニは、いわば“ステージ上の補聴器”+“高精度ヘッドフォン”のハイブリッド。ライブの裏方で、アーティストを支える超重要アイテムなのです。

なぜ必要なの?プロがイヤモニを使う理由

ではなぜ、プロのアーティストはこぞってイヤモニを使うのでしょうか?理由はいくつかあります。

① 自分の声や演奏が正確に聴ける

ライブ会場は広く、反響も激しいため、ステージ上では自分の声や演奏が遅れて返ってくることがあります(これをディレイと言います)。イヤモニを使うことで、遅延のないクリアな音を直接耳で確認できます。

② ハウリング(キーンという音)を防げる

従来は「足元のモニタースピーカー(通称:床モニ)」で自分の音を返していましたが、大音量だとマイクに音が回り込み「キーーン」と不快なハウリングが発生しやすい問題がありました。イヤモニはマイクに回り込まないので、音響トラブルを劇的に減らせるのです。

③ 耳を守るため

ライブは非常に大音量です。耳が常に爆音にさらされると、聴力に悪影響を与えるリスクがあります。イヤモニには外部音を遮断する遮音機能があるため、必要な音だけを適切な音量で聴け、耳の保護にもつながります。

④ ステージングの自由度が上がる

足元のモニターに頼っていると、立ち位置が変わると自分の音が聴こえにくくなるという欠点がありました。イヤモニなら移動しても音が一定なので、ダンサーのように動き回るパフォーマンスでも安心です。

つまり、イヤモニは「正確な演奏」「トラブル回避」「耳の保護」「自由なパフォーマンス」を同時にかなえる、プロにとっての“聴覚インフラ”といえるのです。

イヤモニの選び方と注意点

いざ「イヤモニを使ってみよう」と思っても、種類がたくさんあって迷ってしまいます。以下は初心者が押さえておきたい選び方のポイントです。

① 汎用型かカスタム型か

市販のイヤモニは「汎用タイプ(ユニバーサル)」と、耳型を取って作る「カスタムタイプ」の2種類があります。カスタムはフィット感が抜群で遮音性も高いですが、価格が高め。まずは汎用タイプから始めるのがおすすめです。

② ワイヤレス or 有線

プロの現場ではワイヤレスが主流ですが、練習や小規模なライブなら有線でも十分。ワイヤレスは自由に動ける反面、機材の設定や電波管理が必要になります。

③ 遮音性能

ライブの爆音環境では、遮音性の高いイヤモニを選ぶことが重要です。遮音性が低いと、外音が混ざって返り音が聴こえづらくなってしまいます。

④ サウンドの好み

ボーカルをはっきり聴きたいのか、全体のバランスを重視したいのかによって、最適なイヤモニは変わります。プロの現場では、ミキサーがそれぞれのパートに合わせて音を調整することが多いです。

より詳しい選び方やおすすめの製品は、以下の記事でも紹介しています。
👉 イヤモニの選び方:初心者が失敗しないためのチェックポイント(オーラボイスボーカルスクール公式)

まとめ

イヤモニは、プロのライブ現場における欠かせない裏方のヒーローです。
・自分の演奏を正確に聴く
・ハウリングを防ぐ
・耳を守る
・自由なパフォーマンスを可能にする
といった理由から、多くのアーティストが愛用しています。

最近ではアマチュアのシンガーやバンドでもイヤモニを導入するケースが増えています。最初は難しそうに見えても、仕組みを理解すればとても心強い相棒になるはずです。

次にライブを観るときは、アーティストの耳に注目してみてください。“耳の中の小さな機械”が、ステージの完成度を支えているかもしれません。