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2025.10.22
コラムハウリングは絶対阻止!カラオケやライブでの動き方
ハウリングを起こさないために

目次
突然「キーン!」…それ、ハウリングです
カラオケボックスやライブ会場で、突然「キーーーーーン!!!」という大音量の不快な音が鳴って、みんなが思わず耳をふさいだ経験、ありませんか?
あの現象、正式にはハウリング(フィードバック)といいます。
ハウリングは観客にとっても演者にとっても強烈なストレス。ライブの雰囲気を一瞬で壊してしまうこともあるので、避けたいトラブルの代表格です。
この記事では、ハウリングの仕組みをわかりやすく解説し、カラオケやライブでどう防ぐかを具体的に紹介していきます。
ハウリングの仕組みを知ろう

まず、なぜあの「キーン」という音が起こるのかを理解しておきましょう。
原因はいたってシンプルで、マイクが拾った音がスピーカーから出て、それをまたマイクが拾ってしまうという「音のループ」が発生するからです。
このループが特定の周波数で強く共鳴すると、音がどんどん増幅され、結果として「キーン」という耳をつんざく音が鳴り響きます。
これは、コップのふちを指でこすって「ポーン」という音が共鳴で大きくなるのと似た原理です。
つまり、ハウリングとは音響機器の故障ではなく、マイクとスピーカーの位置関係や音量設定によって起こる自然な現象なのです。
カラオケでハウリングしないためのコツ

カラオケボックスは狭い空間にマイクとスピーカーが近距離で配置されているため、ハウリングが起こりやすい環境です。
でも、ちょっとした工夫で防ぐことができます。
- ・スピーカーの真正面にマイクを向けない
もっとも基本的なポイントです。マイクをスピーカーに向けてしまうと、音が直撃してループしやすくなります。歌うときは、スピーカーの方向を意識して、マイクを少し斜めに構えるだけでも効果的です。
- ・マイクと口を適切な距離で保つ
離れすぎると音量を上げなければならず、結果的にハウリングしやすくなります。基本は口から5cm〜10cm程度を目安に、しっかり声をマイクに届けるイメージを持ちましょう。
- ・音量の上げすぎに注意
ボリュームを必要以上に上げると、スピーカーからの音がマイクに回り込みやすくなります。声が小さいとつい音量でカバーしがちですが、まずは発声を意識するのが先決です。
- ・複数のマイクを使うときは互いに向け合わない
デュエットなどでマイク同士を近づけたり、互いにスピーカーの音を拾ってしまう位置関係になったりすると、ハウリングのリスクが上がります。
つまりカラオケでは、マイクとスピーカーの“距離感”と“向き”をコントロールすることがポイントです。
ライブや発表会でのハウリング対策

ライブや発表会のステージでは、ハウリングはさらにシビアな問題になります。音量が大きく、スピーカーも複数あるため、ちょっとした立ち位置のズレが大音量のフィードバックにつながることもあります。
- ・モニタースピーカーの位置を把握する
ステージ上には、観客席に向けた「メインスピーカー」のほかに、演者に音を返す「モニタースピーカー」があります。マイクをモニターに向けてしまうと高確率でハウリングします。自分がどこから音を返してもらっているのか、位置を確認しておきましょう。
- ・立ち位置を変えるときはマイクの向きにも注意
バンド演奏中にボーカルが移動すると、その瞬間にハウリングが起こることがあります。立ち位置を変えるときは、マイクの方向を常にスピーカーから外すように意識するのがコツです。
- ・マイクをスピーカーに近づけない
フィナーレでマイクを掲げるパフォーマンスなど、意外な場面でハウリングが発生することもあります。マイクを高く上げると天井スピーカーに近づいてしまうことがあるので注意が必要です。
プロのボーカリストはステージ上で自然とこれらを意識して動いています。ちょっとした角度の違いが大きな差になるんです。
PA(音響)側の工夫も重要

もちろん、演者の工夫だけでなく、PA(音響スタッフ)側の対策も欠かせません。プロの現場では、ハウリングを防ぐために次のような技術的な工夫が行われています。
- ・イコライザーでハウリングしやすい周波数を削る
ステージごとに「鳴りやすい周波数」は異なります。PAはリハーサルの段階でハウリングを意図的に起こし、原因となる周波数をEQでカットしておくことがあります。
- ・コンプレッサー・リミッターの使用
急に大きな音が入力されたときに制御することで、ハウリングの暴走を防ぎます。
- ・マイクの特性に合わせたセッティング
単一指向性・無指向性など、マイクの特性によってハウリングのしやすさは違います。PAはそれに応じてスピーカーの配置や音量バランスを調整しています。
つまり、ステージでハウリングを防ぐのは演者とPAのチームプレー。リハーサルで音響スタッフとしっかりコミュニケーションをとることが大切です。
まとめ:ハウリングは“音の循環”を断ち切れば防げる!
ハウリングは音響トラブルの代表格ですが、その正体は「音のループ」。仕組みさえわかれば、演者側でもしっかり対策ができます。
カラオケではスピーカーとマイクの距離・向き、ライブではモニター位置とマイクの方向、そしてPAとの連携。
これらを意識するだけで、あの不快な「キーーーン」を大幅に減らすことができます。
ステージの主役はあなたの歌声です。ハウリングなんかに主役の座を奪われないよう、今日からぜひ意識してみてください!