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圧倒的な表現力と透明感|ヨルシカのボーカル suisを徹底分析

suisさんのように歌いたいあなたへ


「この声、透明すぎて切ないな…」
初めてヨルシカを聴いたとき、多くの人がこんな印象を抱くのではないでしょうか。
ヨルシカの音世界を語る上で、声の存在感は欠かせません。
本稿では、ヨルシカと suis の関係性から、suis の表現力が光る楽曲、そして彼女のように歌うためのコツまで、ファン目線で深掘りしてみます。

ヨルシカと suis の紹介

ヨルシカは、作詞・作曲を担う n-buna(ナブナ) と、ボーカルの suis(スイ) による音楽ユニットです。2017年に正式に活動開始しました。
顔出しをしない活動スタイル、作品重視の姿勢なども一つの特徴で、どこか“物語を聴く”感覚を聴き手に残します。

では、suis ってどんな人か。Wikipedia によれば、2016年に共通の知人を通じて n-buna と出会い、ライブのゲストボーカルとして参加したことがきっかけとなり、2017年に正式にヨルシカのボーカルとして活動を始めたとされています。
ただし、彼女自身の歩みや生い立ちについてはあまり公にされておらず、ミステリアスな部分も多いです。

なぜ suis がヨルシカに加入したのか

この話には少しドラマがあります。n-buna はもともとボカロプロデューサーとして活動しており、VOCALOID 楽曲を多く手掛けていました。
あるとき、n-buna の制作するデモにおいて、仮歌(ボーカル仮録り)を依頼されたのが、suis さんだったのです。
suis は仮歌段階で曲の歌い方を何度も模索し、詞に寄り添う表現を丁寧につくっていったと語っています。

その後、ライブのゲスト歌唱などを経て、n-buna は正式に “この声がいい” と認め、二人でヨルシカを立ち上げることになります。
公式には、2017年に二人でヨルシカとして活動を開始し、ミニアルバム『夏草が邪魔をする』をリリースしたと発表されています。

ちなみに、suisさんはインタビューで、ヨルシカを始めるにあたり「それまでの自分を捨てて“suisになった”という感覚が強かった」と語っています。

表現力が際立つ楽曲のいくつか

さて、ここが本番。suis の表現力がビリビリ伝わってくる、公式に映像やライブで公開されている楽曲をいくつか、ファンらしい目線でセレクトして紹介します。

  • 靴の花火
    この楽曲はヨルシカ結成当初から注目された一曲で、MVも公式に公開されています。透明感ある歌声が切れ込むように入ってきて、イントロ〜サビへの盛り上げ方が見事です。

  • だから僕は音楽を辞めた
    この曲は、人間関係や挫折といった内省的テーマを扱っていて、suis の感情の揺れがよく表れています。YouTube にも公式映像があり、歌うときの叫びや間(ま)が印象的です。

  • ただ君に晴れ
    比較的ポップな曲調ですが、語りかけるような歌い方が目立ちます。suis の“言葉をはっきり歌う”という特徴がよく出ている一曲です。

  • 盗作
    激しさと静けさの対比を使ったナンバーで、サビのパワフルさ、間奏の沈黙、ラストの余韻。suis の声のレンジと抑揚を感じられる良曲。低域の使い方が印象的です。

  • 斜陽
    比較的新しい曲ですが、YouTube などで公式映像も出ており、ストリーミングやチャート実績もあります。明るさと翳りを共存させる声の使い方が興味深いです。

これらの曲を通じて感じるのは、suis の声には「まとう空気」があること。高音でふわっと羽ばたくときも、低音でグッと抑えるときも、声の芯が揺らぎすぎず、歌詞と世界観をクリアに伝える力がある。そこが彼女の“透明感”と“表現力”が両立する秘密に一歩近づける鍵じゃないかと思っています。

suis のように歌うコツ

「じゃあ私もsuisみたいに歌いたい…」と思ったあなたのために、楽曲経験やファン目線から“真似してみたい技”をいくつか挙げます。ただし、個人の声質には限界があるので、“参考”として見てください。

  1. 言葉を大切に歌う
    suis の特徴のひとつは、言葉をはっきり発音すること。音楽評論でも「普段の話し言葉に近いアクセント、あるいは少し強めの語り口調で、語尾まで発音を丁寧にする」点が指摘されています。
    なので、歌詞を自分で口に出して読む → 音に乗せて読む → 歌う手順で “言葉の輪郭” をクリアにする練習をするといいでしょう。
  2. 抑揚とダイナミクスを意識する
    ヨルシカの曲には静→強など曲調や感情の揺れがしばしばあります。クレッシェンド(だんだん音が大きくなる)・デクレッシェンド(だんだん小さくなる)を意識して、声量をコントロールできると表現力に幅が出ます。
    ただし力任せに声を張るのではなく、“余白”を使うことも大事。「ちょっと揺らぐくらい」「息が残る余白」の使い方が感情を引き立てます。
  3. 声質(地声・裏声)の切り替えと繋ぎを鍛える
    高音が続くパートやハイトーンを使う曲があるので、地声(ナチュラルな声)と裏声(ファルセットやミックス)を滑らかにつなぐ訓練が必要です。
    裏声だけでやろうとするより、少しミックス的な中間域を使うと、強さとやわらかさを両立できます。
  4. 余裕を持って息を使う
    エモーショナルな曲を歌うとき、喉に力を入れすぎると音がひずむことがあります。リラックスする、肩の力を抜く、口腔を開けて息が流れる通りを確保することがポイントです。
  5. 曲の物語を理解して歌にのせる
    よく “歌詞との距離感” が話題になりますが、suis 自身は仮歌段階で歌い方を試行錯誤し、詞の世界に寄り添う表現を検討していると語っています。
    ただ音をきれいに出すだけでなく、「この歌は誰に何を伝えたいのか」を自分なりに感じて歌うと、聴き手にもその“思いの層”が伝わるはずです。

歌いたくなった人へ:オーラボイスボーカルスクール紹介

「ヨルシカが好きなら、自分の声も少し磨きたくなる…」と思ったあなたに朗報。名古屋(名駅・栄・今池)で活動しているオーラボイスボーカルスクールは、大人向けマンツーマンレッスンを中心に、表現力・発声・歌い方の技術指導を行っています。あなたの声の個性を大事にしながら、透明感・表現力を引き出すサポートをします。

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ヨルシカという “音と言葉の物語” に触れるうちに、suis の声は私たちに「声で語る力とは何か」を教えてくれているように思います。

もし、あなたがヨルシカを歌うとき、「ただ声を出す」ではなく、「誰かに語りかけるように声を使ってみる」ことを意識したら、suis の声の空気感に少し近づけるかもしれません。