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ミュージカルを歌ってみたい方必見! おススメの曲ミックスボイスについて徹底解説

「ミュージカルを歌ってみたいけど、声の出し方がわからない」
「クラシックとポップス、どっちの発声をすればいいの?」
そんな疑問を持っている方に向けて、今回はミュージカルの発声についてやさしく解説していきます。

舞台に立つプロのミュージカル俳優たちは、ただ歌が上手いだけではなく、“語るように歌う”技術を身につけています。でもそれは、専門家だけのものではありません。今からでも、あなたの声で物語を届けることはできるんです。


1. ミュージカルの発声はクラシックとポップスの中間

ミュージカルの声の出し方は、よく「クラシックとポップスの間」と表現されます。どういうことでしょうか?

クラシックの声は、腹式呼吸で大きく響かせて、マイクを使わなくてもホールに届くような強い発声が基本です。一方、ポップスでは、自然な話し声に近い柔らかい声がよく使われます。

ミュージカルはそのどちらでもあり、どちらでもないジャンル。セリフのように自然に始まりながら、サビではしっかり響く声が求められる。だからこそ、「ミックスボイス(混声)」というテクニックが重要になります。


2. 「ミックスボイス」って何?

「ミックスボイス」とは、地声(チェストボイス)と裏声(ヘッドボイス)の中間にある発声です。

  • 地声は強くてはっきりしていますが、高くなると苦しくなりやすい

  • 裏声は高い音が出しやすいけれど、力強さに欠けます

ミックスボイスを使えば、高音も楽に出せて、かつ感情も乗せやすいのが魅力です。多くのミュージカル俳優がこの発声を土台にしています。


2-1. ミックスボイスの出し方【やさしい5ステップ】

ここからは、これからミュージカルを歌いたい方に向けて、ミックスボイスの出し方をステップごとにわかりやすく紹介します。焦らず、ひとつずつ丁寧に練習していきましょう。


ステップ① 息を「吐く」ことに集中する

まずは「声を出す」前に、正しく息を吐くことから始めましょう。

  • ろうそくの火をそっと揺らすような優しい息

  • お腹の奥(下腹)からふーっと吐く感覚

声の土台は呼吸にあります。無理に「出そう」とすると喉が締まるので、リラックスした状態で息を整えることが第一歩です。


ステップ② 裏声(ヘッドボイス)を確認する

次に、自分の裏声をしっかり出してみましょう。

  • 「ホ〜」とか「フ〜」のような、息混じりのやさしい声

  • 声を出す場所を「頭の中」にイメージすると◎

ここでの裏声は、張りのある裏声でなくても大丈夫。むしろ、少し息が混ざっていてOKです。自然な高さで、自分にとって出しやすい裏声を探してみてください。


ステップ③ 地声との「境目」を探す

裏声が出るようになったら、次は「地声→裏声」の切り替え練習。

たとえば、「アーアーアーアーアーアーアー」と音を上げながら、地声から裏声に滑らかにつなぐようにします。最初は声が裏返ってもOK!

ポイントは「どこで裏返るか」を知ること。ミックスボイスはこの境目にあります。


ステップ④ つなぎ目を「なめらかに」していく

ミックスボイスの正体は、「裏声っぽいけど、しっかり芯がある声」。そのためには、裏声の息っぽさに少しだけ地声の響きを混ぜてみます。

  • 裏声に「声帯の振動(響き)」を加えるイメージ

  • 音量を上げずに「声を前に出す」ように

この段階では、先生や録音でフィードバックをもらうととても効果的。力まないことが最大のコツです。


ステップ⑤ ことばを乗せて練習する

最後は、「ワンフレーズの歌詞」にのせてミックスボイスを出してみましょう。

例:「Let it go〜」や「Tomorrow〜」など、少し高めで短いフレーズ

  • 無理に出そうとせず、裏声をなめらかに前に出すように

  • 息と音のバランスを意識する

このとき「ミックスボイスを出そう」と思いすぎると逆効果。自然にセリフを語るような気持ちで歌ってみるのがおすすめです。


◎注意ポイント:喉に力が入ったらストップ!

練習中に喉が痛くなったり、声がかすれるようであれば、すぐに中止してください。無理に出し続けると、発声に悪いクセがついたり、喉を痛める原因になります。

できれば、ボーカルの先生にチェックしてもらいながら練習するのが一番安心です。


3. 発声を学ぶならボーカルスクールがおすすめ

最近は、一般のボーカルスクールでもミュージカル専用のコースが増えています。

  • 基本の腹式呼吸

  • ミックスボイスの練習

  • セリフから自然に歌に入る方法

  • 感情をこめた歌い方

など、ミュージカル特有のレッスンが受けられます。講師は、ミュージカル俳優として舞台経験のある方も多く、「憧れの作品の曲を実際にレッスンで歌える」というのも、モチベーションになります。

「発声ができていないとレッスンに行けないのでは?」と思う方も多いですが、むしろ最初から習ったほうが変なクセがつかず安心です。


4. 憧れの俳優たちはこう歌っている!

これからミュージカルを目指すうえで、参考になる俳優さんたちを少しご紹介しましょう。

山崎育三郎さん(やまざき いくさぶろう)

クラシック声楽をしっかり学んだ上で、舞台でもテレビでも活躍する人気俳優。『モーツァルト!』『レ・ミゼラブル』などでは、力強く伸びやかな声で観客を圧倒します。一方で、ポップスを歌うときは柔らかくて親しみやすい声に変化。発声の「切り替え」がとても参考になります。

濱田めぐみさん

『ウィキッド』のエルファバ役で有名。彼女の歌声は、強さと繊細さを同時に持っています。高音も苦しそうに見せず、まるでセリフのように感情がこもっていて、聴く人の心を揺さぶります。彼女の歌い方は、演技と発声が一体になっていて、ミュージカルの理想そのものです。

Aaron Tveit(アーロン・トヴェイト)

アメリカ・ブロードウェイ出身の俳優で、『ミス・サイゴン』や『モンテ・クリスト伯』などに出演。ミックスボイスがとてもスムーズで、高音でも自然体。ポップスのような親しみやすさと、舞台の迫力を両立した発声が魅力です。現代的なミュージカルを歌いたい方におすすめの参考例です。


5. 「自分らしい声」で物語を歌おう

ミュージカルを歌うということは、ただ高い声を出すことではありません。声で感情を表現し、物語を語ることが大切なんです。

クラシック的な響きの美しさ、ポップス的な語り口、その両方を自分の中で育てていくことで、あなたの「ミュージカルの声」ができていきます。

「私は歌が苦手だから…」と思う方も、伝えたい気持ちさえあれば、大丈夫。技術はあとから必ずついてきます。


6. まずは1曲、好きな曲から始めよう!

いきなり舞台に立たなくてもいいんです。まずは、好きなミュージカルの1曲を選んで、自分の声で歌ってみましょう。たとえば、

  • 『アラジン』の「A Whole New World」

  • 『レ・ミゼラブル』の「On My Own」

  • 『RENT』の「Seasons of Love」

など、有名なナンバーからスタートするのがおすすめです。

そして、自分の声にもっと自信を持ちたくなったら、ボーカルスクールでプロの先生に習ってみるのも大きな一歩。大人になってからでも遅くありません。


最後に:ミュージカルは誰でも歌える!

「ミュージカルの歌は特別な人しか歌えない」と思っていませんか?
そんなことはありません。発声のコツを少しずつ身につけていけば、誰でも“伝わる歌”を歌えるようになります

あなたの声にしか出せない感情があります。
あなたの人生にしかない物語があります。

ぜひ、あなただけのミュージカルを、声で紡いでみてください。