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2025.12.27

コラム雑談

ボーカリストのための加湿器選び

街中がイルミネーションで彩られ、どこへ行ってもクリスマスソングが聞こえてくる季節になりましたね。今年も残すところあとわずか。みなさん、歌い納めの準備は進んでいますか?

12月末といえば、イベントや忘年会でカラオケに行く機会が増えたり、ライブ出演が重なったりと、ボーカリストにとっては喉を酷使しがちな時期でもあります。でも、この時期の一番の天敵は「忙しさ」ではありません。そう、「乾燥」です。

朝起きたとき、喉がイガイガして張り付いたような感じがすること、ありませんか?
あれ、本当にヒヤッとしますよね。「まさか風邪ひいた?」なんて不安になったりして。

今回は、そんな冬の乾燥から大切な喉を守るための「ボーカリストのための加湿器選び」について、じっくりとお話ししていこうと思います。ただの家電選びではなく、「楽器のメンテナンス」だと思って、ぜひ最後までお付き合いください。

 

目次

  1. なぜボーカリストに加湿が「絶対」なのか
  2. 加湿器ならなんでもいい?実は怖い落とし穴
  3. ボーカリストにおすすめの加湿方式はコレ!
  4. 意外と見落としがちな「置き場所」と「湿度計」
  5. 加湿器病に注意!メンテナンスこそが命
  6. まとめ:良い声は良い空気から

 

なぜボーカリストに加湿が「絶対」なのか

まず、「なぜ乾燥がいけないのか」という基本中の基本からおさらいしておきましょう。「なんとなく喉に悪そうだから」という理解だと、ついつい対策をサボってしまいがちですからね。

私たちの喉、特に声帯の表面は、常に適度な粘液で潤っている必要があります。声帯は1秒間に何百回、高い声なら1000回以上も振動して打ち合わさる、とても繊細な組織です。ここが潤っているからこそ、プルプルと柔軟に振動し、摩擦のダメージを最小限に抑えてくれているわけです。

例えるなら、冬場の肌と同じです。乾燥してカサカサの手をこすり合わせると痛いですよね?でも、ハンドクリームを塗って潤っていれば滑らかです。声帯も乾燥した状態で無理に歌う(振動させる)と、まるでヤスリをかけているようなダメージを受けてしまいます。これが炎症やポリープの原因になってしまうこともあるんです。

また、喉の奥にある「線毛(せんもう)」という細い毛のような組織の働きも重要です。線毛は、外から入ってきたウイルスや細菌をベルトコンベアのように外へ排出してくれる、身体の門番です。しかし、空気が乾燥するとこの線毛の動きが鈍くなり、ウイルスが侵入しやすくなってしまいます。

つまり、加湿器を使うことは、声のコンディションを保つだけでなく、風邪を引かないための最強の防御策でもあるんですね。

 

加湿器ならなんでもいい?実は怖い落とし穴

「よし、加湿が大事なのはわかった!とりあえず安い加湿器を買ってこよう!」

ちょっと待ってください。その行動力は素晴らしいですが、実は加湿器選びを間違えると、かえって喉を痛める原因になることがあるんです。

家電量販店に行くと、色々な種類の加湿器が並んでいますよね。デザインがおしゃれなもの、アロマが使えるもの、USBで動く小さなもの…。でも、ボーカリストとして一番気にすべきポイントは「デザイン」でも「価格」でもなく、「加湿方式」です。

加湿器には大きく分けて4つのタイプがあります。
「スチーム式」「気化式」「超音波式」「ハイブリッド式」です。

この中で、音楽家として特に注意が必要なのが、安価でデザイン性の高いものが多い「超音波式」です。超音波式は、水を超音波で微細な粒子にして空気中に飛ばす仕組みなんですが、これ、実は「タンクの中の水」をそのまま空気中に撒き散らしているのと同じなんです。

もしタンクの中の水が古かったり、雑菌が繁殖していたりしたらどうなるでしょうか?そう、部屋中に雑菌シャワーを浴びせていることになります。これを吸い込んでしまうと、アレルギー性の肺炎や咳の原因になることもあります。喉を守るために買った機械で喉を壊すなんて、笑えませんよね。

 

ボーカリストにおすすめの加湿方式はコレ!

では、どのタイプを選べばいいのでしょうか。結論から言います。

ボーカリストにおすすめなのは、ダントツで「スチーム式」です。

スチーム式は、やかんのお湯を沸騰させているのと同じ原理です。ヒーターで水を加熱し、蒸気を出して加湿します。この方式の最大のメリットは「煮沸消毒」されること。水を一度沸騰させるので、カビや雑菌が繁殖しにくく、非常に清潔な蒸気で部屋を潤すことができます。

さらに、温かい蒸気が出るので、冬場の冷たい部屋の温度を少し上げてくれる効果もあります。喉は冷えにも弱いですから、温めながら加湿できるスチーム式は一石二鳥なんです。

「電気代が高い」「熱くなるから危ない」というデメリットもありますが、喉という商売道具を守るための「必要経費」と考えれば、決して高くはないはずです。最近は魔法瓶構造になっていて電気代を抑えたモデルや、転倒してもお湯がこぼれにくい安全設計のものも出ていますよ。

次点でのおすすめは「気化式」や、温風と気化式を組み合わせた「ハイブリッド式(加熱気化式)」です。これらは粒子が非常に細かく、部屋全体に湿度が広がりやすいのが特徴です。ただ、フィルターの手入れを怠ると臭いの原因になるので、マメな性格の人向けかもしれませんね。

 

意外と見落としがちな「置き場所」と「湿度計」

良い加湿器を手に入れたら、次は「どこに置くか」です。まさか、部屋の隅っこの床に直置きしていませんか?

湿気を含んだ空気は重たいので、低い場所に溜まりやすい性質があります。床に置くと、足元ばかりジメジメして、肝心の顔周り(呼吸する高さ)は乾燥したまま…なんてことになりかねません。それに、床が結露してカビる原因にもなります。

ベストなのは、机や棚の上など、腰から胸くらいの高さです。そして、エアコンの風が直接当たらない場所を選びましょう。エアコンの風が当たると、加湿器のセンサーが誤作動したり、蒸気が流されて効率よく加湿できなかったりします。

それから、もう一つ大事なアイテムが「湿度計」です。
加湿器に湿度表示がついていることもありますが、加湿器本体の周りは当然湿度が高く表示されがちです。自分が普段座っている場所や、寝ている枕元に、独立した湿度計を置いてください。

目指すべき湿度は「50%〜60%」です。
40%を切るとウイルスが活発になり、逆に60%を超えすぎるとカビやダニが発生しやすくなります。ボーカリストとしては60%くらいをキープできると、朝起きた時の喉の調子が全然違いますよ。加湿器任せにせず、自分の目で数値を確認する習慣をつけましょう。

 

加湿器病に注意!メンテナンスこそが命

さて、ここまで読んで「よし、スチーム式を買って完璧だ!」と思ったあなた。最後に一番大事な話をさせてください。

どんなに高価で高性能な加湿器を買っても、メンテナンスをサボればそれは「毒霧散布マシン」に変わります。特にタンクの水を変えずに継ぎ足し給水を繰り返すのは絶対にNGです。

加湿器の中で繁殖したレジオネラ菌などの細菌を吸い込むことで起きる「加湿器肺」という病気をご存知でしょうか。咳や発熱、呼吸困難を引き起こすアレルギー性の肺疾患で、最悪の場合、歌うどころか日常生活もままならなくなります。

「毎日水を入れ替える」「タンクをゆすぐ」「フィルターを掃除する」。
これらは面倒くさい作業に見えますが、楽器の手入れだと思ってください。ギタリストが弦を変えるように、管楽器奏者が管を磨くように、ボーカリストは加湿器を洗うのです。

特に年末年始は家を空けることもあるかもしれません。数日使わない時は、必ず水を捨てて、タンクを乾燥させてから出かけましょうね。帰ってきて、数日前の水が入ったままスイッチオン…なんてことのないように!

 

まとめ:良い声は良い空気から

たかが加湿器、されど加湿器。空気の質は、そのまま声の質に直結します。

乾燥した冬を乗り越え、春になっても伸びやかな声で歌い続けるために、自分のライフスタイルに合った清潔な加湿環境を整えてみてください。年末の大掃除のついでに、加湿器のフィルターチェックや、置き場所の見直しをしてみるのも良いですね。

喉のケアを徹底して、素晴らしいコンディションで新年を迎えましょう!

 


 

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